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イラストレーター大塚砂織の由無し事を綴るページです。仕事の紹介もしますが、ベランダ園芸の話やたわいない話が多いかも。

展覧会無事終了&今年のカレンダー通販&久々菜食晩酌日記第18回

と、タイトルから盛り盛りであれですが、しばらく更新してなかったもので。

 

まず、展覧会2つは無事ご好評いただきまして終了いたしました。ご来場の皆さま、あるいは来場できずともあたたかく遠くで見守っていてくださった方々、ありがとうございました!

 

カレンナートさんのほうはあまり記録が取れてなかった。展示っていっつもやってる時いっぱいいっぱいで、こういうこと忘れちゃうんですよね、とほほ。

これは入り口です↓

 

noranoha展の会場はこんな感じでした。

グッズもならべて。おかげさまでかなりご購入いただきまして、初日はぎゅうぎゅうに積んでたんですが最終日はすっかすかになってしまいました。

 

引きこもり自由業が久々に超たくさんの人に会ったので数々の無礼無作法挙動不審などあったかと思いますがお許しくださいませ。というか、わたしは皆さんにお会いできて超楽しかったです。本当、わざわざ足を運んで見に来てくれるなんてありがたいかぎりです。

わたしの仕事って、忙しければ忙しいほど一人で家にこもりきりで、普段は一人であれこれやるのがいっこうに苦にならない人なので問題っちゃ問題ないんですが、でもたまに人に会うと、やっぱり楽しい。いろんな人の話を聞くと、自分だけでは思いつかなかった事に触れることができますし、ネットとかだけ見てると「世の中悪い事しかなく、悪い人しかいない」みたいな被害妄想的な気持ちになったりもするんですが、実際の人間はいい人もいるし、良くなってることもあるし、ささやかな時間を共有することであたたかい気持ちになりますね。みんな元気でいておくれ。

お題「人といるのが好き?1人が好き?」

 

さて、会期は終了しましたが、カレンダーのnoranohaサイトでの販売は始まったばかりです(って、遅いよ...)。いえいえ、なるべく迅速に発送して来年をお迎えするのに間に合うようにいたしますんで、今からでもぜひご注文くださいー!

noranoha.thebase.in

さて。

展覧会の話題ばかりでお読みの皆さんももう飽きた、という向きもいらっしゃるかしらんと思いましたので、最後にちょっと菜食晩酌日記を。

ここんとこ展示でずっと出ずっぱりだったり忙しかったり、そうなると家事料理に割くリソースというのは勢い減るもんでして(ちなみにうちはふだん、家事は全く同等分担なのですが、今回は家庭内で二人とも同じ展示をしてたもんですから、「この際片方に家事を頼る」というオプションも封じられてたので、そうなると家の中どうなるかっていうと無限に散らかり放題、家中がジェンガ状態でした)。

しかし。

我が家はもともと「パスタ、ブルグル、パスタ、クスクス、鍋、パスタ」みたいな、一切頭を使わずできる時短料理無限ローテーションで全然問題ないぐうたら一家ですんで、ひたすらそんな感じで乗り切りました。

まあ、余裕がある時はサイドディッシュなんかもあれこれ考えたりしますが、なきゃないで「山盛りパスタ。ビール。以上!」みたいなので全然OK。「飽きる」という概念を「よきかな、わが屋の定番」とパラダイムシフトすれば人生楽チンです(多分土井先生の一汁一菜とかもそういうやつですよね、よく知らないんですが。...と、気になって調べたら、ここみたらなんかちょっとというか全然志というかコンセプトが違いました、すまん。わたしのは単に「楽チンでうまい」なのよ)。

パスタだけだと野菜不足というか炭水化物多めで太りそうというのはありますが、パスタの中になんでもかんでも野菜をどっさり入れちゃえるんで問題ないかと。タンパク質も豆に厚揚げ豆腐油揚などを必ず投入してるんで特に不安はないかと思います。トマトソースに厚揚げ、合うんですよ。

 

これは昨日のメニュー。展示終わったのに時短メニューのままであった。だって気付けば年末で何かと忙しいですし。いや、何もやってないけど、気持ちが。でも昨日はサイドディッシュつき(別にえばることではない)。

最近、クスクスよりもブルグルのほうが食感が好みだと気づきました。ので、これはブルグル。ヴィーガンシュレッドを山盛りかけて。

サイドディッシュは、わたしが忙しくしてるうちに勝手にベランダでわさわさ食べごろになっていたルッコラのサラダと、長芋のサイコロ焼き。

長芋のサイコロ焼きは醤油とみりんで下味つけて、最後に胡椒を振って。これ、油断するとフライパンにくっつき放題なんでおいしいけどちょっとやっかい。でもおいしいの。これでビールとかワインがあれば気分はパラダイス。

ルッコラが味が濃くてうまし。ベランダのルッコラは秋まきに限る(春はもうなんか虫と風にやられっぱなしなんで)。

 

ではでは。

 

 

 

noranoha展のグッズなど紹介と、在廊日のおしらせ

<固定>
*11月末から12月1週におこなわれる2つの展覧会のお知らせ*
noranoha展 カレンナート展 (クリックで詳細・別窓で開きます)
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さて。

まずは在廊予定日の案内です。

カレンナート展には初日火曜日11日28日の12:00〜15:00と、最終日日曜日12月3日12:00から14:30まで在廊しております。

noranohaのほうは、連日15時ぐらいからは必ず在廊しようと思っています。せっかくの機会なので、来ていただいた方と交流するのを楽しみたいです!ただ、日曜日12月3日

はカレンナートに行ってる都合がありますんで、noranoha会場にはその後、夕方よりの在廊になるかと思います。

12月1日金曜の夕方17時ぐらいからは、パーティってほどじゃないんですが、ちょっと飲み物を用意して歓談したりくつろいだりしながら絵をみていただけるようにしようかと思っています。

みなさま、ぜひぜひこぞりにこぞりてお越しくださいませー。

(なお、いちおうおしらせですが、普段あまり展示など行かれない方につきましては「入場料とかあるの?関係ない人は行っちゃダメ?」などの謎があるかもしれませんが、もちろん入場料はありませんし、みなさま自由に見ていただくための展示ですので、ふらりとお気軽にお立ち寄りくださいませー。)

 

さて、noranoha展では原画展示に加えて、各種の手作りグッズも並べます。

わりとちまちましたものをお手頃価格で揃えておりますー。

肝心のカレンダーは、noranoha限定と、カレンナートさんで出したものもこちらでも少し出します。

左がカレンナートA5サイズ1100円税込、右がnoranohaカレンダーA4サイズ1540円税込です。材料費高騰でnoranohaのほうは去年までよりちょっとだけ値上げになってしまいましたが、風合いのよいマーメイド紙を使ってクオリティは下げずに作っております。

毎日が楽しくなるような絵を心がけました!

 

これは一筆箋。表紙の絵柄4種類が3つずつ、12枚綴りで330円税込み。ぺりっと切り離して使えるタイプです。

ブローチは値下げしました、550円税込み。

マグカップは手描きの一点物で2420円税込み。

A4サイズのちいさなラッピングペーパーはクラフトなどに。色違い5枚で440円。

その他、モビール、オーナメントなどなど各種とりそろえてます。他のメンバーのグッズにも注目ですぞ。特におおの麻里さんのモビールは超かわいいです。おすすめ!

 

準備のほうは大詰めで、家の中がえらいことになってます。無事に当日を迎えられるんだろうか、どきどき。(なお、仕事方面につきましては、段取り決めて進めてるんで大丈夫ですー。)

 

 

日本橋Art Mallでの「カレンナート展」の詳細と、おやつ日記。

<固定>
*11月末から12月1週におこなわれる2つの展覧会のお知らせ*
noranoha展 カレンナート展 (クリックで詳細・別窓で開きます)
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前回ブログ書いてからバタバタしてたらもう一ヶ月経ってる!時間が経つのが早くて怖い!こないだまで半袖だったのにもうコタツでまるまってる!(それは気候がヘンというのもある)。
 
というわけで、またまた展示の紹介を。最近展示の紹介ばかりですみませんねー。
さて、↑上の固定リンクにも詳細がありますが、今回2箇所で展示があるのですが、そのうちのカレンナート展さんのほう、公式サイトで案内がでましたので、そちらを紹介いたしますね。

www.calenart.tokyo

詳細はサイトにもありますがこちらにも基本インフォメーションを。

第5回カレンナート展
8人の作家のカレンダーと原画展

会場: Art Mall(東京都中央区日本橋室町1−13−10)
Art Mall
日程: 2023年11/28(火)〜12/3(日)
時間: 12:00 〜 20:00  ※最終日は17時まで

このサイトでも紹介しているのですが、こちらではわたしはnoranohaとは別図案・別サイズのカレンダーの原画を展示し、カレンダーも販売いたします。

いつものnoranohaのカレンダーはA4サイズですが、こちらは小ぶりなA5サイズ、オフィスの机の前などにも飾っていただけるぐらいのサイズです。

 

こちらの原画はシンプルに手描きの一発描きの線画のみのものを味わっていただき、線画のおもしろさと、それが印刷でどう着色し仕上がっているのか、その違いをお楽しみいただける趣向になっています。ぜひ実際に目で見ていただければうれしいです。

↑これの原画はこんな感じです。

 

また、他の参加者の方々のカレンダーもすてきなものがそろっています!(noranohaグループも今回全員参加していて、全員別バージョンのカレンダーを作っています)。お値段もお手ごろな感じになっていますので、クリスマスプレゼントなどにもいい感じではと思います。

 

と、展示の話ばかりで、最近はすっかり菜食日記もおろそかですので、ちょっぴりそんな話も。こないだ、「どうしてもドーナツが食べたいんだい!」と急に思い立ち、youtubeのレシピを参考に突然作って食べました。

なんでしょうこのいびつな物体は。芋のにっころがしか。ドーナツの穴どこいった。いえ、本来きれいな丸に整形するレシピのものなんですが、下手っぴが急いで作るとこうなる。しかし、見た目は不恰好ですが味は外がカリッと中はほんわりふかふか、大変おいしくて満足満足。

レシピは、こちらのyoutuber「さきっちん」さんのレシピを見て作りました。

youtu.be

菜食だと市販のドーナツとかなかなか気軽に食べられないので、こういう「簡単でおいしくて、しかも家にあるもので難しい材料とか使わない菜食レシピ」は本当に助かります。さきっちんさん、ありがとうありがとう。

さきっちんさんが作ってるドーナツはきれいに丸くてかわいく、わたしのでたらめな石ころみたいなのとは大違いです。

 

ところで、手作りお菓子って、作ると案外大変じゃない(というか大変じゃないレシピでしか作らないわたしです)んですが、「よし、作ろう」という決意のところにものすごくハードルがあるような気がしますね。他にも「よし、作ろう」とか「よし、仕事しよう」とか「よし、ブログ書こう」とか「よし、掃除しよう」とか「よし、経理を...」とか、そういう気合いを出すにはどうしたらいいのかしら。言ってたら疲れてきたので、よし、お茶でも飲むか(それはかろうじてできる)。

 

お題「最近気になっているYoutuber」

 

 
 
 

11月末から12月頭に展示を2つやります!

今日は展示のお知らせです。

●まずは、メインの3人展です。

 

noranoha exhibition 2023
 
会期 2023年11月30日(木)-12月5日(火)
時間 11:00-19:30(最終日のみ17:00まで)
場所 Perry House Gallery
   東京都渋谷区神宮前4-23-6 Tel.03-6434-9936
 

  noranohaは2019年に大塚砂織、おおの麻里、門馬則雄で始めたwebshopです。

名前の由来は野良の葉。風にゆれ雨にぬれ太陽によろこび、寄る辺なく美しいものでありますように。この度初めてのnoranoha展です。

webshopから飛び出して、カレンダーや新作原画、レターセット、モビール、ブローチ、zinなど賑やかに揃えて展示します。

12月1日の夕刻は軽くお飲み物など出しますので、ワイン片手に鑑賞としゃれこんでいただくのも一興です。

 

今回場所をお借りするPerry House Gallery はにぎやかな表参道の通りから少し奥に入った静かな住宅地にあります。1Fにはおしゃれな花屋さんなどが並ぶ避暑地のような雰囲気の小さな商業施設です。天井の高い開放的な空間でゆっくりとnoranohaをお楽しみください。

当日まで三人三様、準備の進み具合をインスタなどでもお知らせしていく予定です。
どうぞよろしくお願いいたします。
 
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久々の大規模展示なので気合をいれて鋭意制作中です。会場のPerry House Galleryさんはとても素敵な空間で、クリスマスシーズンに合わせたあたたかで楽しい展示になると思います。
門馬はわたしの夫なのですが、今まで画風が違いすぎて一緒に展示などしたことがなかったんですが、今回はショップつながりということで、お互いの違った世界も楽しんでいただけたらと思います。そして、おおの麻里さんは、今までもグループ展など一緒にやった長年の友人です。おおのさんのブログでも書いてあるんですが、ほんと、わたしは業界友人ほとんどいない中で、貴重な同僚、同志であり、また、すごく素敵な絵で毎回「やられた!」と思わされる永遠の憧れなんです。
 
というわけで、初めましての方、お久しぶりにお会いできる方、SNSで今までお会いしたことなかったお知り合いの方、冷やかし、散歩のついで、通りがかり、なんとなく、と、あらゆる多くの皆様に来ていただけたらうれしいです。会期中はなるべく在廊して、ご来場の方とお話しできるのも楽しみにしています!
で、これから、しばらくこの件の話題続きになりますがよろしくです。
 
 
 
●もう1箇所の展示は、同時期に開催するカレンナート展さん。
 
第5回 カレンナート展

2023年11/28(火)〜12/3(日)12:00 〜 20:00 ※最終日は17時まで
イラストレーターたちが描くカレンダーの世界の展示とカレンダー即売会。
今回が5回目で、今年もすてきな作家さんたちが集合します。
会場はArt Mallさん。
こちらはまだ特設サイトなどこれからですので、順次またお知らせいたしますね。
こちらでもカレンダーの原画を展示して、カレンダー販売をいたします。こっちのカレンダーはnoranohaで出すものとは別のものをカレンナートさん用に作りました。
こちらも気合入ってます。カレンダーはすでにできたんですが、可愛い感じで自分でもかなり気に入っています。
 
ではでは、また続報を続々と出していきますねー。
 
 

1.5℃は遠くになりにけり?はれ予報11月号の仕事の紹介を兼ねて

こちらはしんきんさんの会報誌「はれ予報」10月号の吉永みち子さんの連載コラム

「虫の目鳥の目魚の目」の紹介です。挿絵を描いています。

今回のお題は今年の夏の暑さと気候変動について。

↑これは未来予想図なんですがすでに現実な気も。

 

今年の夏はもう超絶暑かったですね。わたしは23年来ベランダ園芸していますが、今まで弱ってもかろうじて枯れなかったゼラニウムが全部枯死してしまって、10年とか育ててきたお気に入りのゼラニウムたちだったのでかなり凹んでいます。ゼラニウムにも限界温度ってあったんだなあ...。

 

今後気候変動が進むと、植物はますます育ちにくくなり、害虫と呼ばれるような人間と利害がバッティングしてしまう昆虫、例えば作物を枯らすとか病気を媒介するとか、そういう虫の生息域が広がり、でも動植物昆虫全体の多様性は減って絶滅するものも多々、干ばつに洪水、食料危機、感染症など増加、と、ワーストケースシナリオにはやばいことがてんこ盛りなのです。

が、どうも人類、それを防ぐために「産業革命時から平均気温上昇を1.5℃に抑える」という目標への対策は思ったように進まず、むしろ戦争したり遠ざかっているような...というようなお話です。

挿絵はIPCC第6次報告書の気温上昇シナリオ評価グラフ(参考はこちらのIPCC WGI AR6 Figure SPM.8a)に重ねて、人間の行動はいかに...というあたりを描きました。下の低気温シナリオに向かわなきゃだめだって話だったんですが、近年ではもう1.5℃は遠くになりにけりといった感がありますね、うーん........。

対策にはまず「気候変動が重要な問題だと報道する」というのが大事だと思うんで、このコラムのように、あちこちで話題にしていくのって大事だと思うんですよね。

 

というわけで超絶暑かったと思いきや、急にここ数日は冬みたいに寒い。こういう極端気候に今後どんどんなっていくのかと思うと悲しいですね。いとしい春や秋よ、なくならないでー。

そして、この寒さでさっそく猫ちゃんが、ソファに寝そべってたわたしのところにやってきてソファにかかっている毛布をちょいちょいと指差し「これをひいたお前の膝に座らせなさい」とちゃっかりご所望に来ました。夏の間は人肌暑いと近寄らなかったくせに、現金なやつー。まあかわいいからよいのですが、猫ちゃんや他の動物たちの暮らしにも気候変動、心配だよねえ。

 

今週のお題「急に寒いやん」

9月末発刊のお仕事紹介その3 書籍「武器としての図で考える経営: 本質を見極め未来を構想する抽象化思考のレッスン」装画と挿絵

こちらは東洋経済新報社さんから9月27日発売の

「武器としての図で考える経営: 本質を見極め未来を構想する抽象化思考のレッスン」(平井 孝志さん 著) の書影です。

 

この本は平井さんの前作「武器としての図で考える習慣―「抽象化思考」のレッスン」に引き続き装画と挿絵を担当しています。デザインはtobufune(小口翔平さん+畑中茜さん+村上佑佳さん)です。こちらは線画をお渡しして、配色はtobufuneさんにお任せいたしました。前回の落ち着きがありながら知的な雰囲気もよかったですが、今回の色使いはさらに「攻めてる感じ」がビビッドかつおしゃれに表現されていて、かっこいいです。

 

前作はこちらです。

 

このシリーズは結構硬派というか、かなり論理立てた考え方、ロジカルシンキングをがっつり養う感じでありつつ、要所要所に具体的な事例や、コラムなども挟んで、難しいながらも楽しく読める、帯に書いてある通り「頭と手を動かして考える新感覚の経営書」なのです。

 

わたしも経営者というにはおこがましいですが、一人であれこれやる身ですので参考にしたいです。最近とくに展覧会を控えて、いろいろやるべき事で頭の中が忙しいのに、どれから手をつけていいかわからず焦り気味なので、絵を描く合間にまずは図にして整理してみようっと。

9月末発刊のお仕事紹介その2 書籍「教養として知っておきたい33の哲学」装画と挿絵

こちらは9月27日発売の彩図社「教養として知っておきたい33の哲学」(沢辺 有司さん著) の書影です。

装画と中の挿絵を描きました。

こちらのご本は、以前に彩図社さんから出ました『図解いちばんやさしい哲学の本』に加筆・修正を加え再編集し、さらに読みやすく整理したもので、哲学の専門者の方向けというよりも、初心者向けにやさしく哲学の歴史から主要哲学者の学説を簡潔に紹介してある入門書です。

哲学ってなんぞや?ウィトゲンシュタインって名前聞いた事あるけどどういう事を言ってた人なのかな?というような、わたしぐらいの哲学素人が「まずどこから読めば?」という需要にぴったりなご本で、わかりやすくまたさらに知識を深めたいなと思わせてくれるような内容です。とはいえ、それぞれの学説にかなり紙面をとってきちんと説明してあり、読み応えがあります。

こちらをとっかかりにさらにそれぞれの専門書を手に取るのもよいですし、そうでなくとも、様々他の分野でもよく哲学理論や哲学者は引用されてますので、そういった場面で「あ、これはあの事だな」となんとなくでも分かるようになるというのは社会への理解度を高めてくれるというか知的なものへの扉が広がりますよね。

また、もちろんですが哲学は、日々わたしたちが生きてる上で感じる「どう考えればいいのか」に示唆を与えてくれますんで、学に長けた人、教育機会の多い人だけでなく、幅広く多くの人がアクセスできるこうした形態で本が出るというのはありがたい事ではないかと思います。

 

彩図社さんのご本では、「論理的思考力を鍛える33の思考実験 」をはじめとして、33の〜というタイトルを冠したものや、思考実験に関連した教養入門書的なシリーズっぽい流れ(必ずしもシリーズというわけでもないのですが)などをいろいろ担当しています、ありがたいです。

今回のイラストは、33系の既刊本とのなんとなくの「兄弟本感」を意識しつつ、配色などで思索的な落ち着き感を表してまたちょっと違った仕上がりを心がけました。

既刊本はこちら↓

 

9月末発刊のお仕事紹介その1 書籍「私の中を整理する片づけ」装画

9月の末に3冊装画を描きました本がほぼ同時に出ますので1冊づつ紹介していこうかなと思います(いつもまとめて紹介しちゃうんですが、そうすると後で自分で自分のブログ記事を探しにくいという事に最近気づきました、気づくの遅い)。

今日はこちら。

 


KADOKAWAから9月26日、つまり明日発売の、ミリマリストますみさん著『幸せが訪れる「余白」の作り方 私の中を整理する片づけ』の装画です。

いつもすっきりと片付いた部屋とその心得で大人気のインスタグラマー、ミニマリストますみさんのエッセイ集です。ますみさんの清潔でおしゃれかつ、やわらかで力の抜けた雰囲気を表現すべく、シンプルなイラストにしてみました。

デザインはYoshi-des.の吉村亮さん、石井志保さんです。おしゃれに装丁していただきうれしいです。

 

シンプルで片付いた部屋って憧れますよね。わたしのようにいつもすべてにおいてとっ散らかり人生を生きていると、あすなろ状態で永遠にたどり着けない「美しい暮らし」なのですが、読んでいると、そういう「頭の中からしてすでにとっ散らかってる人」の心をほぐしてくれるというか、がんばらずにちょっとずつでも自分にもできそう、という気持ちにさせてくれるすてきな本です。

この夏はもう片づけなんかやってたら死ぬんではないか、ってぐらい暑かった(私見)んですが、そろそろ涼しくなってきて、ちょっとお部屋をあんなこんな、すっきり整理してすてきにしちゃいたいような、そんな気持ちが湧き上がってくる今日この頃、わたしもお茶を片手に、まずこちらの本で楽しくモチベーションアップしようと思います(そうやって本を読んでる時が一番楽しくて結局片づけないというダメな結果に終わらないように片づけるよ!必ず!)。

ま、そんなわたしの話は置いといて、ぜひ書店でご本をお手に取っていただければうれしいです。

9月のカレンダー お茶の時間は心の句読点

もうここを見てくださってる希少な皆さまもすっかりお忘れでしょうが、年の始めごろにはnoranohaで出してた2023年のカレンダーの絵の紹介をしてまして、途中で止まったままでした。んで、今更ですが、その月になったら紹介、という形式で再開してみます。

 

最近はコロナ流行を経てすっかり「打ち合わせはZOOMかメールで」という感じになりましたが、以前は打ち合わせに先方の会社に出向く事が時々ありまして、普段机に張り付いてるわたしとしては絶好の気分転換でちょっと楽しみでした。

でも、普段から出かけ慣れないと、ちょうどいい塩梅の時間に現地にたどり着くというのが難しいんですよね。わたしはもともと遅刻がちな根がだらしない人間の自覚ゆえ、逆にすごく早く出て余裕を見て出ることが多く、現地で中途半端に時間が余ったり。そんな時に駅前にカフェがあると、とりあえず一杯飲んで気持ちも落ち着けて時間も調整、いい感じで打ち合わせに行けてよいのです。

懐かしい話ですが、スザンヌ・ヴェガに「トムズ・ダイナー」という歌がありましたね。日々のすき間時間、カフェでひとりでいるたわいのないほんのひとときの心象風景を切り取った歌詞をスザンヌの独白のようなアカペラで綴っていて好きな歌です。自分の絵もそういう「日常のあわい」を描けるとよいなあと思います。

 

ところで、よくカフェで勉強とか仕事をする光景も見かけますが、わたしは「外では作業できない派」なんですよね。

なんというか、周囲のいろんなものを眺めたりとか考え事したりとかあるいはぼーっとして何も考えなかったりとかが楽しすぎて、作業にまったく集中できないのと、もうひとつ、創作については「鶴の恩返し派」というか、人に自分の作業過程とか見られるのはなんか恥ずかしいのです(いや、別にカフェで作業してるからといって周囲の人はこっちのことなんて見たりとか気にしたりしてないと思うんですけど、自分が落ち着かない自意識過剰)。

そのくせブログではあーでもないこーでもないと自分が考えてることを恥ずかしげもなく開陳したりしてるのに。でも絵を描いてるところを見られるのは恥ずかしいというか、見られてたらうまく描けん!みたいな。なんでだろ?自分でも謎です。ではでは。

AI社会はつらいよーはれ予報2023年9月号のお仕事

今日はちょこっとお仕事紹介。はれ予報8月号の吉永みち子さんの連載「虫の目鳥の目魚の目」、今回のお題はAIとの共存についてです。

毎回とても興味深いコラムですんで、著作権的な事情でモザイクをかけているのでみなさんに読んでもらえないのが残念です、もしもしんきんはれ予報を読む機会がある方いらしたらぜひ読んでみてくださいませ。

AIはすごいスピードで社会に浸透しているので、共存せざるをえないと思うのですが、うーん、やっぱりなんだかちょっとディストピアSF的な懸念もいろいろありますねー。まず、共存できるのかと問われるとわたしの仕事的なジャンル、まっさきにやばいよね。っていつも思って怯えてるんですが。とほほ。

 

ちょっと前に自分のブログでも「テクノロジーに自分がついてけない問題」を書きましたが、自分のことはまあ置いといても、

「AIの進化に伴う社会の矛盾や新たな問題などが起こるスピードに対して、それにどう対処したらいいのかという事を考える人間の思考や社会合意形成のスピードが全然追っつかない」

というような事が起こってくるのは目に見えている感じがするんですが、どうしたらいいのでしょうねーこりゃこりゃ。

 

なお、右下のちっちゃいイラストは「AIで雇用がなくなり相談する先の相談員さえもAI」みたいな皮肉でここでは失業者は男性で描いてるんですが、

 

実は雇用についてのAIの影響は女性のほうがモロかぶるようで、イラストも女性にしたほうが現実に近いのかも...とちょっと後から思いました。

吉永さんのコラムの話からはちょっと離れますが、こういう記事もあるんですよね。

mainichi.jp国際労働機関(ILO)によりますと、AIが世界の雇用に与える潜在的な影響は男女間で差があって、女性の雇用影響のほうが2倍以上高いらしいのです。

まあ、でもこの話、AIの影響を受けるリスクが最も大きいのは「補助的業務」なので、女性の雇用が「秘書や銀行の窓口、データ入力、会計や簿記など事務支援の業務」に偏ってるからそうなってしまうようで、じゃあそもそも、男性がやってるような「主導権を持った雇用ポジション」を任される女性が少ない事が問題なのでは?って感じもありますね。そう思うとAIとか以前に、まだまだ社会設計が平等になってないので、その社会を現状肯定しながら効率化のためにAIだけ導入したら不公平も加速されちゃうんじゃない?みたいな話なのかもしれませんが。

でもねー、いっぽうで、世の中みんながみんな有能バリバリってわけではないですし、そうなりたいと思ってる人ばかりでもなかったり、教育や環境格差もありますし、いろんな状況があるとも思うので、適正条件の単純労働や補助的労働の雇用の場が開かれているというのも必要なんじゃないかなとも思ったりもします。そういう場が全部AIに置き換わって「めちゃ優秀な人にならないと仕事がない」みたいな社会も、しんどいというか厳しいというか...「AIが全部仕事してくれるから人々はゆったりゆたかに自由時間を謳歌できる社会」とは心の中に生きる素晴らしいガンダーラ、まーぼーろーしーなーのかー。

 

てなわけで、やはり、AIがどんなに発達しても、人間社会の倫理や規範や公平性とか、「社会をどういう形態にしていくのが望ましいのか」を考えるのは人間がやらないとあかんですよね。

 

しかし、こないだ友人と飲んでて、社会のあれこれうまくいってない事柄についてあーだこーだ床屋政談ならぬ飲み屋政談してましたら、友人の一人が「いっそ政治もAIに任せたほうが人間より賢くてよっぽど公正にやってくれるんでは?」みたいな話をしていて、うーん、実はそうだったりして...と、笑うに笑えない話になってしまいました。酒が苦いぜ、ちゃんちゃん。