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イラストレーター大塚砂織の由無し事を綴るページです。仕事の紹介もしますが、ベランダ園芸の話やたわいない話が多いかも。

菜食晩酌日記 第12回 グッドタイムズ、バッドタイムズ(餃子の)※末尾に告知ありです

わたしは餃子も大好物です(大好物はありすぎる)。菜食の餃子の場合、中身は肉の代わりに大豆ミートとか、高野豆腐戻してフープロで細かくしたのとか、豆腐とか、まあなんでもありで、なんでもそれぞれおいしいです。わたしの場合、問題は焼き方なのであった。

で、今回はちょっと焦げてるけど外カリっとしつつもちもちでいい感じに焼けました。ほほほ。

しかし。

これみてくださいよ。

これはもっと前にやった時。ひどいです。フライパンにひっつきました。なんかべしゃっとしてるし。(ただし、この時も味はおいしかったです)

なんでこうなっちゃうのかというと、同じフライパンを使ってるし、火加減などもそんなに変えてないと思うので、おそらく問題は皮の素材か、餃子の配置か、焼き時間の微妙な差?。失敗した時は皮は米粉が入ったもので、今回は小麦粉のみの皮でした。多分米粉の皮を焼くのが苦手なのですね。それと、並べ方も、今回はフライパンにみっちり並べて最後はエイってひっくり返したんですけど、前回は縦に並べていって、最後フライ返しで取ろうとしたのがいけなかった。でも、イメージ的にはひっくり返すほうがひっついて悲惨なことになりそうではないですか?それに、前回は焦って早めにとりだしちゃったのかも。と、こうして書いて考察してますけど、多分次回に今回と同じ焼き方でやったからといってうまくできるかは未知数で、小麦粉だけの皮の時でも失敗する時もあるし、確か米粉でもうまく焼けた時もあったはず。時により失敗したり成功したりを繰り返しており、経験値の蓄積があまり役に立ってない。というのがわたしの餃子遍歴なのです。

餃子に限らず、何事も「ああ、なんかつかめた!もうこれでマスターよ、フフフ」とか思ってたのに慣れて慢心したのか惰性で勘が鈍るのかまた失敗に逆戻り、みたいなことって、ままありますね。人生一生謙虚に学ばねはならぬのだ。もしくは、失敗してもしゃーないよね精神を鍛えるか。...まあ、わたしはどっちかというと後者的な方向性が好きです(ダメなタイプ)。

 

あ、それで、さっき中身については適当に書きましたが、大豆ミートを入れる場合、前に紹介したような乾燥タイプはちょっとぽろぽろしててまとまりには欠けますんで、もしも手に入るならAEONのスーパーのお肉コーナーにお肉みたいな顔をしてトレーに入って売ってるタイプの大豆ミート「大豆から作ったミンチ」(このサイトのトップにあるものです、残念ながらまだ今の所関東限定らしい)や、あるいはオムニミートという製品(自然食品店などに時々あります)が、肉と同じように粘り気があって練りやすいタイプになっており肉の餃子を作ってる時と同じような感じで扱えるので試してみてもよいかと思います(ちなみにヨーカドーでAEONと同じような感じでトレーで売ってる大豆ミートは粘り気がないので、餃子より麻婆豆腐とかに向いてますし、逆にAEONのは麻婆豆腐にはあまり向いてないかも、溶けちゃう感じで)。

そういう便利アイテムも世に出つつあり期待大ですが、まだまだ万人には手に入りにくいかなとも思います。その場合普通の大豆ミートでもちょっとコツをつかめばそんなに難しくなく包めると思います。コツは「ぽろぽろしたものを包む」という心構えだけです(なんじゃそりゃ)。豆腐を混ぜるとちょっとしっとりしていいかも。わたしはそれ以外の具は、茹でたキャベツを刻んだもの、ネギ、すりおろし生姜、あればニラ(ない時は省略)などを少しのごま油と醤油、塩こしょう、昆布だしなんかで軽く下味つけて包んでます。

餃子の可能性は無限大なんで、従来型の味にこだわらなければ、野菜だけ、とかきのことかポテサラとかおからとか何包んでもおいしいかも。いつか余力があれば「変わり種餃子大会」して食べ比べてみたいですね。

 

なお、失敗例のほうの付け合わせの一品は蒸しなすのごま酢醤油なのですが。

 

これはむかーし檀一雄クッキングを読んでて知ったレシピで、本当は丸のままのナスを蒸してから手で薄く割いて、それをごま酢醤油に漬けるというものなのですが、長年作ってるうちに省略の極みでうすく切ってから電子レンジで済ませるというスタイルに進化(うそ、退化)してます。もちろん本家のレシピのほうがおいしいんだけど、檀一雄ならぬ大塚砂織クッキングの場合省力化と時短方面によりがちな横着クッキングなもんで。こういう横着精神が餃子の失敗にも通じるような気がすると書いてて自分でうっすら気付きつつありますが。でもそれでも、これおいしいんです。この食べ方だとナス無限に食べられそう。おしげもなくごまを使うのがコツです。

 

それと、はずかしながら、わたし、ナスにつきましては焼きナスはほとんど作ったことありません。だって、皮むくの面倒だしもったいないし(だって皮、食べられるしポリフェノールだし焦げた皮を熱いうちに竹串で剝いて...とか匠の技すぎるし)、労力の割にはそこまで絶対食べたいというわけでもないような...断然上記のレシピがほうが好きだったり、他にも揚げナスにしちゃうとか、煮浸しとか、好きな食べ方が多いので焼きナスの出る幕なしなのだった。と、焼きナス派の人を敵に回すこともなかったですね、好きな人ごめんなさい。でもわたしも焼きナス、おそらく人に作ってもらうなら好きです。その場合菜食なんでおかかはのっけないでお願いします♡(誰によ)。え、じゃあ餃子包むのは面倒じゃないの?とお思いの向きもあるかと思いますが、なぜか餃子包むのは好きです。無心になってやれるのでむしろ楽しい。でも残念なのは、がんばって包んでも食べちゃうのはあっという間なんですねー。

 

あ、そうだ、告知を。前にも告知いたしましたが、ペーパーボイス東京さんにて今日から、≪ARTxCARDxCALENDAR アートなカードのカレンダー展≫ が開催され、参加しています。会場はこんな感じになっているそうです。総勢50人のイラストレーターの作品が楽しめます。

日程は9/26(月)-10/1(土)10:00~17:00です。お近くにいらした方はぜひ覗いてみてくれるとうれしいです。わたしも4つの季節を描いたポストカードを出しています。

 

書籍「本番に強い子になる 自律神経の整え方」の仕事をしました

小学館より発売されました「本番に強い子になる 自律神経の整え方」(小林弘幸著・敬称略)で表紙と中のイラストをすごくたくさん描いています。どのページも自分で言うのもなんですがすごくかわいくわかりやすくできておりまして、ぜひ書店で手にとって見ていただけたらと思います!

イラストは説明的なページからイメージを伝えるものなど多岐に渡っていまして、編集さんがわたしを信頼してくださり本当に自由にのびのび描かせていただきました。わたしとしては、この本のよさを引き出せるように内容をよりよく表現しつつ、また絵を見るだけでも楽しくなれるようにも心がけました。色も2Cなのですがすごくきれいな色を選んでいただいていてすっきりした画面です。まだまだたくさんあるので、どれも紹介したいのですが、多いのでこの辺で。

こちらの本は、「あれをすべき」「こう考えるべき」とか難しいハードルや読み手の負担になりそうな精神論はなくて、日常で行ってること、動作などを無理せず少し意識してみたり、本当に簡単な活動でも生活が整えられるというお話で、誰でもすぐに試せるような小さな動作や習慣が提案されていて、とても気楽に読めますし、優しい本で読んでるだけでおだやかになれる感じです。もちろんお子さん向けの本ですが、わたしも読みながら参考になる事多々でした。

ここ数年の状況などで、大人だけでなく、子供にもたくさんのストレスやプレッシャーがかかっているこの頃、楽しいイラストとともにこの本を読んでリラックスしてほしいなあと思います。

 

www.shogakukan.co.jp

 

 

菜食晩酌日記 第11回 晩酌じゃなくておやつ

今日はタイトル通り、晩酌じゃなくてあとのデザート(あれだけ食べてるのにデザートまで食べる人)のお話。

わたしはベランダで鉢植えのいちじくを育ててます。最初の5年ぐらいはぼちぼちな感じで1個か2個実がつけばいいぐらいだったんですが、10年目ぐらいなのかな?最近では1シーズンで20個ぐらい実をつけてくれます。

かわいいー。うれしいー。

 

多分摘果すれば一個一個もっと大きくできるんだと思いますが、どうも実がなってると全部がもったいなく(よくばり)、摘果しないままなんでちょっと小ぶりですが、きちんと甘くおいしくできてくれるんです。季節の約束を律儀に果たしてくれる木に感謝感激ありがたや、最高ですね。もし地面があったらフルーツの木ばっかり植えたい。

というわけで取れたいちじく、毎日豆乳ヨーグルトと一緒に食べたりそのまま食べたりが主ですが、お菓子にも使いました。

チーズケーキ風のプラントベースケーキです。

 

レシピとしては

くるみ

オートミール

グラノーラ

デーツ

クラッカー

メープルシロップ

などをフードプロセッサーで砕いて型に敷き詰めて(水分が少なければ小さじ1か2ぐらい加減しながら油か水を足して)台にします。よくレシピなどを見るとカシューナッツなどをこういう場合使うんですが、わたしはくるみかピーナッツを使います(注)。量は、持ってる型に敷き詰められるぐらい、って感じでしょうか。固形物それぞれ30gずつぐらい、液体はそれらがしっとりするぐらいとかかなあ、分量は適当です。

 

フィリングのほうは、

絹どうふ150g

豆乳ヨーグルト150g

白味噌小さじ1

砂糖60g

水に浸しておいたピーナッツ 30gぐらい

米粉30g

片栗粉大さじ1

寒天粉 4g

レモン汁大さじ2

油 少々

 

をこれまたフードプロセッサーでガーっとしまして滑らかになったら型に流し入れ、

切ったいちじくを並べて160℃で20分、180℃で10分(様子みながら)焼きました。

焼いてすぐより、冷まして冷やして食べた方が落ち着いてよりよいです。

 

味は、レモンの風味が結構あるんで一般的なチーズケーキのような「チーズの風味」とは違いますが、クリーミーでおいしいです。軽めのさわやかな生地といちじくの甘みが...ほほほ。いちじくを入れない場合食べる時にブルーベリージャムを合わせても美味です、というか、フルーツと合わせて食べるのがいい感じの生地だと思います。

レシピの中に白味噌があって、これはチーズっぽいコクを出すために入れるといろんなレシピにあるんですが、わたしの好みでは入れすぎない方が好きです。ほんのエッセンス的にというか。入れすぎるとどうも味噌の主張が強くなるような...。

チーズケーキに関しては、菜食で本物のチーズケーキを完全再現!とかは、わたしのスキルではあんまりうまくできないので、「それとは違うけどこれはこれでおいしいやつ」を目指した方がおいしいものになりますね。

 

菜食をしてると、どうしても手軽にケーキっぽいものを買ってくるというのは今はまだ難しいので自作が多くなるんですが、自分で作ったやつって「3日ぐらいかけて食べよう」とか思ってるのに次の日には跡形もなくもう消え失せているというのは一体どういうこと?カロリー摂取量については深く考えないようにしていますが、まあ、豆腐だし、いっか(よくない)。

 

そして、毎日見てるものって、絵に反映されちゃいますよね。先日残暑見舞いハガキを作ったんですが、いちじくを描いてました。そして例によって出すのが遅くなってしまい、着いた頃には涼しくなっていたのだった。今年は秋が来るのが早いのかな?芋!栗!梨!秋もスイーツの材料は豊富ですね。いや違う、来年用のカレンダーも早く描かねば。ではまたー。

 

 

注:

以前きゃすぴえさんのブログでカシューナッツの労働問題を読みまして、うーん、アボカドなどもですが、またこのパターンか。調べるとこういうのも出てきたりして、輸入食品悩ましいですねえ。で、とりあえず判断つかないのでナッツを買う時はなるべくくるみかピーナッツ(ピーナッツは正確に言うとナッツではない気が...)にしていますが、じゃあくるみとピーナッツなら大丈夫なのかい?というと、くるみはカリフォルニア産だとやっぱり干ばつなど現地の農業問題、水問題があったりもする(水問題はアーモンドが有名ですね、そういうわけでアーモンドも買ってないです)んで、別産地とか、できれば国産とかのほうがいいのかなあ?ピーナッツは国産のものが買えますね。まあ、そんなわけで少し気にかけてるんですが、わたしもえらそうなこと言えるほど徹底なんてできてませんので、こんな話があるよ、って程度のお話なのですが。本来ナッツ類は栄養豊かで摂りたい食品ではありますし、ナッツに限らずこういう問題って付いて回るんでしょうが、日本の農産物自給率を考えると全部国産で賄うとかもできないわけなので悩ましいです。それに、「買わなければいいのか?」とかもよくわかりません。農産物が現地の女性労働者の経済的自立や自由を助けるケースもありますので、買わない事が逆にまた現地の困窮を呼ぶとかもあるかもしれず...。フェアトレードのものを少し高くても買う、とかがよりマシな感じがしますが、そもそもフェアトレードのナッツってどこに売ってるの?みたいな感じもありますしね。そして、スーパーなどに行くとそんな問題はかけらも存在しないかのように豊富に商品がきれいにパッケージされてずらーっと並んでいますし、こっちもお財布事情的に安いものと高いものが並んでる時つい安いもののほうが助かるみたいなのもあり、この問題を「消費者がなんとかせい」というのも無理難題というか、いちいち現地状況とか見に行けませんし報道もどこからどこまで信じられるのかわかりませんし、なんだったら国内でも農業従事者の方にフェアに賃金払われてるかなあとかも消費者に把握しきれませんし...無理じゃね?という感じもあります(いや、だからといって考えなくていいとも思わないんですけど)。できれば買い付けたり販売する方々にもう少し善処していただきたいなとも思ったり、はたまた質のよいフェアトレード品がおっくうでなく買えるぐらい皆(わたしも)の賃金あがってほしいなとか、考えるとキリがないですねー。ちなみに、引用させていただいたきゃすぴえさんのブログ↓

casse-pied.hatenablog.com

は北米での食や文化事情などを紹介してくれているブログで、とても面白くてためになり、以前からずっと拝読しています。

「アートなカードのカレンダー展」に参加します

あらもう9月ですね。早いですねー。

ちょっとバタバタしてますんで、短く告知をひとつ。

 

9月後半に「アートなカードのカレンダー展」という展示に参加いたします。

会期:2022年9月26日(月)~10月1日(土)

場所:ペーパーボイス東京

時間:10:00〜17:00 

住所:〒104-0033 東京都中央区新川1-22-11

Webサイト:https://www.calendar-labo.jp/event/event_top.html

 

「アートをすべての人の日常に」をテーマに、CalendarとArtを合わせた「CALENART」というアートカレンダーの企画展を行なうCALELABO/株式会社スタジオ・タブさんに

お声掛けいただきまして、4点イラストを出しています。2枚が描き下ろしで、2枚はHPに出した事があるイラストです。

 

ポストカードがカレンダーになるフレームにセットする仕組みで、今回こちらの展示のものは非売品で販売はないんですが、なんとご来場の方から抽選で100名にお好みの作家の展示カレンダーをプレゼントするという企画になっています。わたしの他にも50人もの素敵な作家さんのイラストがあり、豪華な企画ですね。

アートなカードのカレンダー展

会場のペーパーボイス東京さんは茅場町にあるギャラリーです。

ペーパーボイス東京アクセスマップ

 

ではではー。

 

 

菜食晩酌日記 第10回 大豆ミート活用形ともどき料理

 

前回大豆ミートの唐揚げについて書きましたが、最近わたしが個人的にいい感じな大豆ミート調理を今日はご紹介。前回と同じブロックタイプを使います。ブロックタイプというのは

item.rakuten.co.jp

こういうのでして。これは唐揚げで食べるのを想定したタイプで、他にもそぼろ状だったりフィレっぽいものもあるんですが、この唐揚げタイプ、今まで唐揚げにしか使ってなかったんですね。でも、ある時炒め物に入れるフィレタイプを切らしていて、試しにこれを戻してから半分に薄切りっぽく切って入れたら、どうも食感がこっちの方が好みなのではないかなと気づきました。で、今回はそれの応用形で、西京味噌につけてからオーブン焼きにしてみました。

漬け材料は、

西京味噌

しょうゆ

みりん

少し油

という感じで、これで30分ぐらい置きまして、オーブン天板に野菜とともに広げ

(野菜はオリーブオイルと塩胡椒をなじませてあります)、大豆ミートにも最後ちょっと塩胡椒振りまして、220℃で20分ぐらい焼きました。

結構香ばしくて、ブロックタイプの大豆ミートの「繊維が縦に裂ける感じ」がこういう食べ方にあっているような気がします。西京味噌じゃなくて普通の味噌でもいいかなと思ったのですが、お菓子を作るのに白味噌が欲しくて、店頭に行ったら西京味噌しかなくそれを買ったので活用したかったというのがありますが、そういえば昔魚とかの西京味噌漬け結構好きだった気がするんで、なかなか味付け的にも気に入りました。

食べ物のおいしさを作っている要素のひとつに「メイラード反応」というのがあります。これは糖とアミノ化合物の化学反応でして、加熱した時などに起こります。平たく言うと、香ばしい香りと風味が増すんですね。肉を焼いた時や、パンを焼いた時に起こる反応です。これを大豆ミートでもいい感じに起こすと旨味がアップしますので、味付けに西京味噌のように適度に糖分も入るのは風味アップになりますね。また、油分を適度に足すのもおいしくするコツかなと。(しかし、余談ですが一般的にメイラード反応豊富な食品には健康面においてはフライドポテトで有名なアクリルアミドとか、はたまた焼いたり揚げたりする時には油を使うことが多いんで油分の取りすぎとか、あまりよろしくない面もあったりするとも言いますんで、ちょっと悩ましいですね。ま、取りすぎなければいいんじゃないでしょうか)

 

野菜は冷蔵庫に転がってた大根の切れ端、若干緑になってたジャガイモ(中まで緑になったジャガイモは食べちゃダメです。わたしは自己責任で今回は深ーく剥いて食べましたけど、大丈夫でしたが売ってた時からこんなだったんですねー、困りますねー)、まいたけ、うちで採れた黄色くなったちっちゃいゴーヤなどでした。ジャガイモと大根は先に少し電子レンジしてます。時短料理なので。

 

あともう一品はと言いますと、アマランサスのパスタです。これはご存じの方も多いかと思いますが、明太子スパ的な感じにアマランサスを食べるレシピです。

まず、アマランサスを煮ます。水をかぶるより多いぐらいに入れて、昆布出汁で20分ぐらい茹でまして、その後梅干し、みりん、コチュジャン、醤油などで味をつけ、水気がなくなりアマランサスがふっくらやわらかに煮えるまで煮ます。水分がなくなってきてもまだ芯が残って硬いようならもう少し水を加えて柔らかくなるまで煮るのがコツですが、最後の方、うっかり煮詰めすぎて焦がさないよう注意です)。


それを茹でたパスタと、マヨドレ(植物性マヨならなんでも)、ちょっとえごま油、ニュートリショナルイースト(なくても可)であえて、シソと海苔を散らしたら出来上がり。多分本物の明太子パスタを食べ慣れた人にはちょっと違う感があるかもしれませんけど、これはこれでかなりおいしいし、アマランサスは栄養豊富なんでわたしとしては大好物のメニューです。アマランサスのプチプチした食感がよいのねん。

 

菜食といっても、昔食べ慣れたメニューは好きだったので馴染み深いというのもあるんで、もどき料理というか再現メニューは楽しいです。「そんなに似たものが食べたいなら我慢しないでそのものを食べればいいのに」という素朴な疑問を持たれる方もいらっしゃるかと思うんですが、これはなんていうか、我慢してるわけではなくて、菜食族の人々というのはですね、えーと、多分おそらく多くの人は、本人の中に「材料において、菜食のものしか食べたくないのであーる」という強い動機があるわけでして、まあ、プラスチックの使い捨てバッグを使いたくないのでエコバッグを持ってる、みたいなもんというか、お坊さんががんもどき開発したのの同じコンセプトだと思っていただければと。まあ、実際、我慢してるという感じは全然なくて、いろいろ工夫をするんで「料理のおいしさとは何から構成されてるのか」ということを考える機会が増えて人生実験感覚で好奇心が満たされる楽しさがありますね。

 

今日のスケッチブック。そろそろ秋めいてきましたね。秋バラが待ち遠しいです(やや強引)

 

 

菜食晩酌日記 第9回 アゲアゲ気分の夏

(全景を撮ったつもりだったのに、写真がへたくそ!)

暑いですねえ...。こう暑い日が続くともうなんだか複雑な献立(もともとそんなのないけど)を作る気力が湧かず、仕事もまとまった量のものを淡々とこなす日々が続いていたもので(って、完了形で書いてるけどまだ終わってません、はやく終わらせなくては...)、つまりは料理にかけるリソース不足でして、最近はそうめん、パスタ、焼きそば、冷やし中華、クスクス、そしてまたそうめん、というような怠惰の無限ループに陥りがちだったのですが、先日ツイッターのタイムラインを見ていて、他の方が揚げ物をしてるのを見て「おいしそうだなー」と思いましたんで一念発起、揚げ物をしました。

どうよ、この量。明らかに欲望が暴走していて天ぷらと唐揚げをいっぺんにやるという暴挙に出ました。まあ、唐揚げは多かったんで半分ぐらい残して冷凍しましたが。

天ぷらはそれでも二人分でなす2本、ピーマン3個、しそ4枚でしたんで、よく考えたらそんなに多くはないんですが、揚げるとなんたって衣と油でボリューム(&カロリー)アップですね。いいんだいカロリーなんて野暮なこと、揚げ物する日に言わないの!

 

ところで、「なんかちょっと貧乏くさいライフハック」をここでお伝えしますと、天ぷらってよく抹茶塩とかつけて食べるじゃないですか。そこで、「くらこんの塩昆布」の「袋の下の方に溜まった塩」をつけるとアラ!おいしいです。まあ、添加物とかそういうのを気にされる方にはおすすめしませんけど、あれ基本的に昆布塩なんで、そりゃおいしいよね!という。そしてあれって余りがちではないですか?昆布使い切っても塩だけ残ってることが多いんで、わたしは料理などに使ってます。(貧乏くさいと書きましたが、今調べたらメーカーも推奨してました、ははは)

 

大豆ミートの唐揚げはもう最近は結構ポピュラーになってきましたね(か?)

大豆ミート初心者の方には、この唐揚げタイプから入門するのが吉ではないかと常々思っています。本当、おいしいです。お肉の唐揚げっぽいけど、違うけど、これはこれで違和感ないおいしさと思います。シンプルな材料なのですが漬け材料でそれぞれの家庭の味にカスタマイズしやすく大豆ミートのくせも一番なくなる調理法なので、むしろレトルトとかの加工品で出てる大豆ミート製品などでお肉に慣れた方が肉を期待した時に感じがちな「違うからなんかヤ!」感というか「食べ物不気味の谷」感(?)は多分全然ないと思います、これはこれでおいしい食べ物、って感じです。

一応まだ作ったことない方のために、作り方をば。

1.ブロックタイプの乾燥大豆ミートをお湯で戻します。この時、大きなボウルに入れて、上からちょっと重たいお皿でものっけときましょう。満遍なく戻ります。5分から10分ぐらいで十分戻ります。

2.水で濯いで軽くしぼってから、またボウルに入れて、生姜醤油とかにんにく醤油とか、コチュジャンいれてみたり、好きな下味をつけて揉み込んで、また少し置いときます(そんなに長くなくても大丈夫です、わたしはせいぜい10分ぐらい)。

3.あとは粉まぶして揚げるだけです。中火ぐらいがいいかな。わたしはフライパンに多めに油を入れて揚げ焼き的に揚げてます。お肉と違って「火がよく通ったかしら?」とかそこまで気にしなくていいので、なんとなくおいしそうな揚げ色と雰囲気になってきたら引き上げれば大丈夫です。

あとは箸休めにゴーヤのくるみ和えです。これは昔居酒屋で食べておいしかったメニューの再現レシピでして、ゴーヤを砕いたくるみと練りゴマかピーナッツバターと醤油、ちょっと酢と砂糖で和える感じです。練りゴマやピーナッツバターの部分は「すりつぶしたくるみ」でもいいというかそれが本来あるべき姿な気もしますが、そこまでするのは面倒くさいので、あるもので済ませております。これ、ゴーヤの食べ方の中でもかなり好きな食べ方です。ただ、今回は本当はゴーヤも揚げようかなと迷ったんですが。揚げたゴーヤもおいしいもんね!ベランダ菜園のゴーヤがぼちぼちなってきてるんで毎日なんかしらゴーヤを食べてます。

 

ところで、こないだ「今日のスケッチブック」というカテゴリーを作ったのに、作ったそばから忘れてました。のでまた再び心を新たに活用していきたい。

落書きしてる時、なんでこんなもの描いてるんだろ、と後で思い返すことが多いです。なあに?、このビールおじさんと馬。が、心を無にして描いてただけなんだろうと思います。ではまた。

ツールドフランスファムが来た!

トップページの絵、3枚目はこちら。

 

今年はTour De Franceの女子選手版大会、Tour De France Femmes avec zwiftが開催されましたね。去年までもGrande Boucleという名称でいちおう女子レースはやってたらしいんですがわたしも見たことがなく、今回から公式にTour De Franceの一環として世界テレビ中継もされたのでやっと見ることができました!

わたしはツールファンで、もうみんながあまり語りたがらない(汗)ランス7連覇の頃からずーっと見てるんですが、やはりそれ以降あんなことやこんなことが多すぎるのでどうも好きなんだけど好きといっていいのかしらん、というか、毎回若干疑心暗鬼になりつつも見てる感じ(いや、でも選手は本当に一生懸命やってると思うんですよ)なんですが、なんだかんだ言っても、夏の始まりにフランスのあの美しい日差しに満ちた景色を自転車が通り抜ける画面を見てるだけでつい心が躍ってしまいます。

で、今回からファムが始まるということで、いつもだったら男子のツール最終日、シャンゼリゼのフィナーレを見ると一足先に「ああ、もう夏も終わりね」という切ない気持ちになるんですが、なんてったって、今回はシャンゼリゼからスタート。そして、この日を待ちわびていたであろう女子選手たちの歓喜の爆発に、じーんとしてしまいました。レースは男子の3週間に比べ1週間の短い日程で盛り上がるかちょっと心配してましたが、なんのなんの。長丁場での駆け引きとはまた違う毎日乱気流というか、劇的な展開でレースの初心に帰るような面白さがあり、最後までハラハラしっぱなしでした。フィナーレが昇り切っての山を制したところで、クタクタの選手たち、でも表情にはやりきった喜びと達成感がいっぱいで、チームメイトたちと地べたに座り込んで談笑しながら喜び合う姿を見るのも、男子で見慣れたゴージャスなフィナーレとはまた違った勝負のすがすがしさもありました。来年も楽しみです。

今回のレースでは今まで女子ロードシーンを支えてきた選手たちが活躍し、優勝のマイヨジョーヌは39歳のファン・フリューテンでしたし、マイヨヴェールのマリアンヌ・フォスも35歳とベテランが活躍してたのも最高でしたね。そして、夏の日を駆け抜ける選手たちを見た世界中の女の子たちが「わたしも選手になれるかも!」と胸をときめかせて、10年とかのちにそうした「ファムの幕開けを見た世代」がまた第一線で活躍するであろうと考えると、それも楽しみです。

 

それと、ちなみに、今回ツール男子はデンマークコペンハーゲンがスタートでしたが、このコペンハーゲンも、フィナーレのパリも、また今回女子の表彰台を独占したオランダも、急速に都市の「自転車化」を進めている街なんですよね。気候変動の時代、なんでもかんでも車、ではなく、自転車や公共交通、徒歩でCO2排出の少ない、また人にやさしい街づくりを進めていくのって大事ですし、そういう意味でも今回のツールの盛り上がりは希望が持てるのではないでしょうか。

もちろん、車を使う人には車を使わなければいけない理由というのがありますし、駅が遠い生活の人、体が不自由な人など車は必需品という場合や、荷物を届けてくれたり救急車だったりなど、まだまだたくさんあると思いますので電気自動車などの発展も並行して必要ではありますが、街自体がもっと車なしでも楽に移動できるような設計で改良されるのも選択肢が増えていいなあと思います。自転車や歩行者が移動しやすい街になるというのは、自転車と歩行者が専用道で分離したり、段差がなくなったりで、つまりは道、街自体の安全性も高まるわけで、車椅子の人などにも使いやすい街になるというメリットもありますし、トラムなどが走れば、バスよりも安定時間運行が出来て車がなくとも気軽に街を移動しやすくなりますしね。以前旅行で行ったアムステルダムの街はトラムに地下鉄、自転車が交通の主で、市街にあんまり車が走ってなかったんですが、それでもやっていけるならその方が空気もきれいだし、ゆったりしてていいのかもしれません。個人の生活の中ででっかい荷物とかどうするんだろう、とか、子供連れはどうするんだろう、と思ったら、でっかい荷物を運べる自転車や子供を乗せるトレーラーなんてものも当たり前の顔をして走ってたりもして、そういう発達の方向も面白いなあと思いました。

日本でもこれから再開発の際などにはそういうアムステルダム、パリ、デンマークのような環境配慮に意欲的な街づくりのアイデアのよい部分が採用されてほしいなあと思います。(ちなみに、トップのイラストのようにパヴェ、敷石のゾーンはツールの選手たちは腕の見せ所でレースの華みたいなところはあるんですが、実用的には自転車にはちょっときびしいので、実際にはもっと平らな自転車レーンが望ましいですね、はは)。

 

さて、我が家は生活インフラへのアクセスには便利な平坦地に住んでるので、なるべく車を使わずに済むときは使わず、ちょっと遠いところまで買い物などに行くときも徒歩1時間ぐらいまでなら歩きで行ったりしてるんですが、夏にこう暑かったり、荷物が多かったりだとどうしても車に乗ってしまう時もあります。自転車を一台だけ持ってるのですが夫婦で出かけるときには使えなかったので、このファムの感激にあやかってこの機会にもう一台自転車を買い足してもっとあちこち自転車で行こうかなと思いました。なにより、自転車で風切って走るの、楽しいですし、自転車なら前のかごに米、背中に猫の砂背負って、ぐらいの荷物なら余裕でいけますしね(勾配20%激坂とかは無理ですけど!)。

ただし、自転車とはいっても、車輪が付いててスピードは出ます。日本はまだ道路事情が必ずしも自転車向けでないところも多々あるので、くれぐれも安全運転は大事ですよね。徒歩で歩道を歩いてると、たまにすごいスピードで後ろから自転車に追い抜かれることがあるんですが、うっかり少し歩行者が横にズレたりしたら激突大惨事なのではとひやっとします(特にわたしは路傍に生えてる草とか気になってついついリアル道草しがちなうっかり者なんで...)。車を持ってる人は道路交通規則を一通り習ってるはずですが、歩行者とサイクラーってそうでもないんですよね。道路交通規則の教育機会を増やすのも大事かも。

菜食晩酌日記 第8回 広義の冷やし中華

冷やし中華が好きです。しかし、世の中的に冷やし中華の具材として公認されているのは、

きゅうり

ハム

トマト

錦糸卵

みたいな感じなのではないでしょうか。これ、一個もかぶってないじゃん!というわけで、冷やし中華と名乗るのはおこがましいのですが、私の中では「ラーメンが冷えててごま油の香りの効いた酢醤油だれで野菜がのっかってるもの」は広義の冷やし中華と認識しているのでこれは冷やし中華です。菜食なので卵はなしとしても、ゼロミートのハムとか、トマトとか、きゅうりもあるとそれっぽくて良かったのになーとは思うんですが、食べたいと思いたった時に在庫がそんなに合致するわけではないのが家庭料理の常、冷蔵庫と相談した結果これらの具材しかなかったんです。というわけで、のっけたのは

ベランダ栽培のかいわれ

レタス(最近レタス安いですよね!)

大豆ミートそぼろを少し甘辛く煮付けたもの(炙った油揚とかでもいいと思う)

コーン

紅生姜(紅生姜の在庫は豊富にある)

 

でした。これはこれでおいしいよ!全日本冷し中華愛好会的な人には怒られるかもしれないけど...。あ、あと私の中では、タレは酢醤油系が断然好きです、ゴマだれとか、それはもう担々麺とかの方向性であっておいしいけど冷やし中華じゃないのではないか、とお前が言うな的な変なこだわりがあるのであった。

 

あとは、例によって冷凍のがんもどきと、ピーマンとなすで煮びたしにしました。くたくたのなすとピーマンが好き。ちなみになんでしょ、このぞんざいにのっかった白っぽいシート状の謎物体。これは「すりおろして冷凍した生姜」でございます。生姜保存については、わたしもご多聞にもれず長い逡巡の歴史をたどり、酢に漬けるとか、水につけるとか、新聞紙に巻くとか、いろいろ試してみたのですが、最終的にたどり着いたmy第1位は、

「すりおろしてジップロックに平たく薄べったく広げて入れて冷凍」

です。平べったくすることで、使う時に使う分だけポキっと割って使えます。これが一番風味も損なわず保存も使い勝手もよく、生姜のフードロス問題にとどめを刺す最適解、これで冷蔵庫の端でしなしなになったりカビたりしたかわいそうな生姜とはオサラバよ、フフフ。ただ、このように横着すると盛り付けの見た目が壊滅的にダメな感じですね。でもすぐ溶けちゃうんで、食べる時には困らないけど、それにしてもねえ、ずぼらすぎよねえ。あ、でも最初に「生姜をすりおろす」という下ごしらえの手間があるんで、ある意味丁寧な暮らしではないでしょうか(そのぐらいでえばるな)。

 

あと、なにげに写真に見切れているお皿があるんですが、それについてはまた今度。最近、最高の菜食お手軽おつまみを見つけちゃって、はまってるんですよ。ではまた。

すべての雲には銀の裏地がついていて...

さて、次回に引き続きトップページの絵について。

今日はこちらの絵ですが、こっちは前回のようにややこしいことはなく特にあまり考えないで、音楽を聴きながらなんとなく浮かんだイメージをゆるーく描いてみた夏休みのひとこまです。

 

聴いてた音楽はこんな感じ。

 

1. Spinvis - Weekend naar Lascaux

 

夏の週末、彼女のお父さんのBMWを借りてラスコー洞窟を見に行った、そんな若い日の思い出の淡いスケッチ的な。

 

youtu.be

 

2. My bubba - Island

 

竜宮城に漂いつつ、恋人にあやまりたい、あやまれない、そんな気持ちを歌うかわいらしい歌。

 

youtu.be

 

3. By the Time It Gets Dark · Yo La Tengo

 

Fairport ConventionのSandy Dennyの曲ですが、このYo La Tengoのこのバージョンが好きですね。(と、言っても、他にはティーンエイジのノーマンがやってるNew Mendicantsのバージョンしか知らないけど、ちなみにそっちも好きです)

鈍く輝く夕暮れの後には秋がやってくるのであった。

 

youtu.be

どれもめちゃ名曲なんでおヒマな方で興味があればぜひご一聴あれ。

ではでは。

夏をめぐる宇宙と地上のお話

トップページのイラストを季節ごとに変えようと思いつつ、ついついあまり変えないのですが、一応夏バージョンにしました。んで、それにちなんで、一枚ずつ絵にまつわる話をしようかなと思います。

今回はこちらの絵についてです。

この絵は幾つかの最近のわたしの関心事をちりばめています。

 

1.

夏休みといえば、「夏の大三角形」を探して眺めたりとか、宇宙展やプラネタウムに行ったり、はたまたおそらくスターウォーズを見に行ったりした思い出が関係してるのか?なんとなく宇宙にわくわくした子供の頃の記憶があります。

そんな夏の始まりにふさわしく(?)、先日、NASAが新しく打ち上げたジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡からの初画像が届いたというニュースがありましたね。いやもう、写真に写る宇宙の鮮明な美しさにびっくりしました。こんなことになってるのか、宇宙!まるで宝石箱ぶちまけたみたいだね!(そういえば昔、宝石箱というアイスもありましたね)と、楽しくニュースをたどっていたのですが、そのついでに、こういう話も知りました。

www.scientificamerican.com

 

自らもクィアと公表している理論物理学Chanda Prescod-Weinsteinが執筆したこの記事によりますと、なんでも、この宇宙望遠鏡に名前を冠されているのは1950〜60年代のNASAの長官ジェイムズ・ウェッブ氏なのですが、命名については異議の申し立てがあったのです。

 

マッカーシズムの時代のアメリカでは、その一環として共産主義者だけでなく、同性愛の人々などの迫害もあり、連邦政府による同性愛者の職員大量解雇などもあったそうで、それは「ラベンダー恐怖」の時代と呼ばれています。それで、くだんのジェイムズ・ウェッブ氏は、その性差別的な政策に加担していたとみられ、NASA長官としての功績はあったとしても、果たしてその事を無視して望遠鏡の名前として栄誉を称えられるにふさわしいのだろうか?ということらしいです。

 

 

結局、1,800人以上の天文学者が署名した名称変更の要望は聞き入れられず、名称はそのままになってしまいました。

社会の価値観が改善されていくにつれて、昔ある業績を残した人物が他の面では良い評価ばかりできない面も抱えている事がつまびらかになるという事例は最近多いですね。その人の功罪の「功」の部分が社会に役立ったのが確かだったとしても、「罪」というか、関わった差別の問題にほっかむりして、いいところだけしかなかったように「今」また評価してしまうことで、差別された当事者や社会に「その差別は今も大した問題ではない」というメッセージを新たに与えてしまうのではないか、ということは問われますし、問われているのはジェイムズ・ウェッブその人だけでなく、今その名を冠していいとしたままであるNASAの体質や、問題を知らずに済んでしまうわたしを含めマジョリティでもあるということなのですね。

記事の中では、実際にLGBTQIA差別はまだ現在でも科学界や政府組織の中に存在し、過去の問題として片付けられないという現状も紹介されています。Weinstein氏は「モニュメントや施設に個人の名前を冠する場合、こうした問題は常に起こるやっかいな問題です。どんなヒーローも完璧ではないのです。」と言っていて、確かに、そもそも人の名前である必要があるのかな、という気もしますし、なにより、その望遠鏡が届ける輝きを見るたびに、自分たちへの差別の歴史や現在進行形で自分たちの問題が社会的に軽視されているという事実に向き合わされてしまう人々がいるというのは悲しいことではないかと思います。

最後にWeinstein氏は、それでも名前をつける慣行を続けるならば、あるいは宇宙望遠鏡にハリエット・タブマン氏の名前をつけるのはどうだろうかと提案しています。ハリエット・タブマンは20ドルの顔にもなった、黒人女性です。なぜ彼女なのか?理由はこの人物の人生と空の星の意外な関わりにあります。

19世紀に黒人奴隷だったタブマンは、奴隷主の元から逃亡しました。長い逃避行の道筋、タブマンが頼りに辿ったのは、暗闇に輝く北極星だったそうです。その後、たどり着いたフィラデルフィアタブマンは他の多くの黒人奴隷が逃亡するのを助けた「地下鉄道」の車掌になりました。

確かに宇宙を知る事が人類の英知や繁栄に寄与するのなら、そのまさに正しい使い方により導かれた先人の名が、今度は未来の人々に社会がどうあっていくべきかを導く手がかりとなる、というのはよいアイデアではないかと思います。

タブマンの話はありませんが、命名問題の概要はこちらに日本語の記事もあります。

wired.jp

というわけで、望遠鏡を通じて、美しい宇宙の果ての新たな発見を見ることができるのは喜ばしいですが、その一方で人類は今やこんなに高度に遠くを見通せる技術を持ちながらも、今日でも地上に生きる、すぐ目の前にいる人々の苦痛が見つめられないままになってしまっている、という問題も考えさせられたのでした。

 

2.

夏休みになると、宇宙へ海へ山へと外界への憧れも募るいっぽう、読書の思い出もあれこれ蘇るのは、子供の頃に「課題図書」みたいなキャンペーンがあったせいでしょうか。それとも、読む時間が豊富にあったせい?ムーミンやプーさん、アラン・クォーターメイン、夏への扉、なんとなく読んでた時の部屋の感じや気温、空気感、夜の読書灯の明かりの色などもセットで覚えてる感じがしますね。

わたしが特に今でも夏に読み返したいのが、ブラッドベリの「たんぽぽのお酒」です。

冒頭でダグラスが、今自分が「生きている!」を発見するくだりのみずみずしい描写を始め、この物語は眩しい光の中にはっきりと残酷さが織り込まれている、生と死、幸福と不安についてのお話なのだなあ、と感じます。

そして、自分が歳を取り、視座がだんだん人生の始まりから後半戦へと移り変わっていくことで、かつて読んだ時とは違う部分に発見があり、日差しが作る影について思う部分が年々色濃くなってきた気がします。もっと歳をとってから読んだら、そのときはまた違う本になっているのかもしれません。

人生に起こるたくさんの「特別な瞬間」は、マッチ箱の中に取っておいた雪のようにはかなく頼りないものでもあり、けれどもこの小説の中では、まさに夏を封じ込めた「たんぽぽのお酒」のようにいつも芳醇に保たれてもいて、本を開くたびに読者はその甘さと苦さを味わえるというわけです。

 

3.

子供の頃は夏休みは永遠に続いてほしいと思ったりしたものですが、そういうわけにもいかず、また、夏から「休み」が切り離された大人になってみると、この焼け付くような暑さは体にこたえますね。早く涼しくなってほしいもんだ、と思うのですが、今年もヨーロッパでは猛烈な熱波が襲っていて、気候学者たちが「未来を長期的に見れば、この夏がこれからの100年で一番涼しい夏となるだろう」といううれしくない予言(といっても、科学的事実から推測されるシナリオですけども)をしています。どうにか止めないとと思うんですが、どうやって?まあ、少なくとも皆が「なんとかしなければ」と真剣に考える必要はあるのかも。見上げれば遠い宇宙にはロマンがありますが、足元を見れば燃えてるのですよね。うーん。

 

 

 

 

 

 

 

今週のお題「SFといえば」