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イラストレーター大塚砂織の由無し事を綴るページです。仕事の紹介もしますが、ベランダ園芸の話やたわいない話が多いかも。

9月末発刊のお仕事紹介その3 書籍「武器としての図で考える経営: 本質を見極め未来を構想する抽象化思考のレッスン」装画と挿絵

こちらは東洋経済新報社さんから9月27日発売の

「武器としての図で考える経営: 本質を見極め未来を構想する抽象化思考のレッスン」(平井 孝志さん 著) の書影です。

 

この本は平井さんの前作「武器としての図で考える習慣―「抽象化思考」のレッスン」に引き続き装画と挿絵を担当しています。デザインはtobufune(小口翔平さん+畑中茜さん+村上佑佳さん)です。こちらは線画をお渡しして、配色はtobufuneさんにお任せいたしました。前回の落ち着きがありながら知的な雰囲気もよかったですが、今回の色使いはさらに「攻めてる感じ」がビビッドかつおしゃれに表現されていて、かっこいいです。

 

前作はこちらです。

 

このシリーズは結構硬派というか、かなり論理立てた考え方、ロジカルシンキングをがっつり養う感じでありつつ、要所要所に具体的な事例や、コラムなども挟んで、難しいながらも楽しく読める、帯に書いてある通り「頭と手を動かして考える新感覚の経営書」なのです。

 

わたしも経営者というにはおこがましいですが、一人であれこれやる身ですので参考にしたいです。最近とくに展覧会を控えて、いろいろやるべき事で頭の中が忙しいのに、どれから手をつけていいかわからず焦り気味なので、絵を描く合間にまずは図にして整理してみようっと。

9月末発刊のお仕事紹介その2 書籍「教養として知っておきたい33の哲学」装画と挿絵

こちらは9月27日発売の彩図社「教養として知っておきたい33の哲学」(沢辺 有司さん著) の書影です。

装画と中の挿絵を描きました。

こちらのご本は、以前に彩図社さんから出ました『図解いちばんやさしい哲学の本』に加筆・修正を加え再編集し、さらに読みやすく整理したもので、哲学の専門者の方向けというよりも、初心者向けにやさしく哲学の歴史から主要哲学者の学説を簡潔に紹介してある入門書です。

哲学ってなんぞや?ウィトゲンシュタインって名前聞いた事あるけどどういう事を言ってた人なのかな?というような、わたしぐらいの哲学素人が「まずどこから読めば?」という需要にぴったりなご本で、わかりやすくまたさらに知識を深めたいなと思わせてくれるような内容です。とはいえ、それぞれの学説にかなり紙面をとってきちんと説明してあり、読み応えがあります。

こちらをとっかかりにさらにそれぞれの専門書を手に取るのもよいですし、そうでなくとも、様々他の分野でもよく哲学理論や哲学者は引用されてますので、そういった場面で「あ、これはあの事だな」となんとなくでも分かるようになるというのは社会への理解度を高めてくれるというか知的なものへの扉が広がりますよね。

また、もちろんですが哲学は、日々わたしたちが生きてる上で感じる「どう考えればいいのか」に示唆を与えてくれますんで、学に長けた人、教育機会の多い人だけでなく、幅広く多くの人がアクセスできるこうした形態で本が出るというのはありがたい事ではないかと思います。

 

彩図社さんのご本では、「論理的思考力を鍛える33の思考実験 」をはじめとして、33の〜というタイトルを冠したものや、思考実験に関連した教養入門書的なシリーズっぽい流れ(必ずしもシリーズというわけでもないのですが)などをいろいろ担当しています、ありがたいです。

今回のイラストは、33系の既刊本とのなんとなくの「兄弟本感」を意識しつつ、配色などで思索的な落ち着き感を表してまたちょっと違った仕上がりを心がけました。

既刊本はこちら↓

 

9月末発刊のお仕事紹介その1 書籍「私の中を整理する片づけ」装画

9月の末に3冊装画を描きました本がほぼ同時に出ますので1冊づつ紹介していこうかなと思います(いつもまとめて紹介しちゃうんですが、そうすると後で自分で自分のブログ記事を探しにくいという事に最近気づきました、気づくの遅い)。

今日はこちら。

 


KADOKAWAから9月26日、つまり明日発売の、ミリマリストますみさん著『幸せが訪れる「余白」の作り方 私の中を整理する片づけ』の装画です。

いつもすっきりと片付いた部屋とその心得で大人気のインスタグラマー、ミニマリストますみさんのエッセイ集です。ますみさんの清潔でおしゃれかつ、やわらかで力の抜けた雰囲気を表現すべく、シンプルなイラストにしてみました。

デザインはYoshi-des.の吉村亮さん、石井志保さんです。おしゃれに装丁していただきうれしいです。

 

シンプルで片付いた部屋って憧れますよね。わたしのようにいつもすべてにおいてとっ散らかり人生を生きていると、あすなろ状態で永遠にたどり着けない「美しい暮らし」なのですが、読んでいると、そういう「頭の中からしてすでにとっ散らかってる人」の心をほぐしてくれるというか、がんばらずにちょっとずつでも自分にもできそう、という気持ちにさせてくれるすてきな本です。

この夏はもう片づけなんかやってたら死ぬんではないか、ってぐらい暑かった(私見)んですが、そろそろ涼しくなってきて、ちょっとお部屋をあんなこんな、すっきり整理してすてきにしちゃいたいような、そんな気持ちが湧き上がってくる今日この頃、わたしもお茶を片手に、まずこちらの本で楽しくモチベーションアップしようと思います(そうやって本を読んでる時が一番楽しくて結局片づけないというダメな結果に終わらないように片づけるよ!必ず!)。

ま、そんなわたしの話は置いといて、ぜひ書店でご本をお手に取っていただければうれしいです。

9月のカレンダー お茶の時間は心の句読点

もうここを見てくださってる希少な皆さまもすっかりお忘れでしょうが、年の始めごろにはnoranohaで出してた2023年のカレンダーの絵の紹介をしてまして、途中で止まったままでした。んで、今更ですが、その月になったら紹介、という形式で再開してみます。

 

最近はコロナ流行を経てすっかり「打ち合わせはZOOMかメールで」という感じになりましたが、以前は打ち合わせに先方の会社に出向く事が時々ありまして、普段机に張り付いてるわたしとしては絶好の気分転換でちょっと楽しみでした。

でも、普段から出かけ慣れないと、ちょうどいい塩梅の時間に現地にたどり着くというのが難しいんですよね。わたしはもともと遅刻がちな根がだらしない人間の自覚ゆえ、逆にすごく早く出て余裕を見て出ることが多く、現地で中途半端に時間が余ったり。そんな時に駅前にカフェがあると、とりあえず一杯飲んで気持ちも落ち着けて時間も調整、いい感じで打ち合わせに行けてよいのです。

懐かしい話ですが、スザンヌ・ヴェガに「トムズ・ダイナー」という歌がありましたね。日々のすき間時間、カフェでひとりでいるたわいのないほんのひとときの心象風景を切り取った歌詞をスザンヌの独白のようなアカペラで綴っていて好きな歌です。自分の絵もそういう「日常のあわい」を描けるとよいなあと思います。

 

ところで、よくカフェで勉強とか仕事をする光景も見かけますが、わたしは「外では作業できない派」なんですよね。

なんというか、周囲のいろんなものを眺めたりとか考え事したりとかあるいはぼーっとして何も考えなかったりとかが楽しすぎて、作業にまったく集中できないのと、もうひとつ、創作については「鶴の恩返し派」というか、人に自分の作業過程とか見られるのはなんか恥ずかしいのです(いや、別にカフェで作業してるからといって周囲の人はこっちのことなんて見たりとか気にしたりしてないと思うんですけど、自分が落ち着かない自意識過剰)。

そのくせブログではあーでもないこーでもないと自分が考えてることを恥ずかしげもなく開陳したりしてるのに。でも絵を描いてるところを見られるのは恥ずかしいというか、見られてたらうまく描けん!みたいな。なんでだろ?自分でも謎です。ではでは。

AI社会はつらいよーはれ予報2023年9月号のお仕事

今日はちょこっとお仕事紹介。はれ予報8月号の吉永みち子さんの連載「虫の目鳥の目魚の目」、今回のお題はAIとの共存についてです。

毎回とても興味深いコラムですんで、著作権的な事情でモザイクをかけているのでみなさんに読んでもらえないのが残念です、もしもしんきんはれ予報を読む機会がある方いらしたらぜひ読んでみてくださいませ。

AIはすごいスピードで社会に浸透しているので、共存せざるをえないと思うのですが、うーん、やっぱりなんだかちょっとディストピアSF的な懸念もいろいろありますねー。まず、共存できるのかと問われるとわたしの仕事的なジャンル、まっさきにやばいよね。っていつも思って怯えてるんですが。とほほ。

 

ちょっと前に自分のブログでも「テクノロジーに自分がついてけない問題」を書きましたが、自分のことはまあ置いといても、

「AIの進化に伴う社会の矛盾や新たな問題などが起こるスピードに対して、それにどう対処したらいいのかという事を考える人間の思考や社会合意形成のスピードが全然追っつかない」

というような事が起こってくるのは目に見えている感じがするんですが、どうしたらいいのでしょうねーこりゃこりゃ。

 

なお、右下のちっちゃいイラストは「AIで雇用がなくなり相談する先の相談員さえもAI」みたいな皮肉でここでは失業者は男性で描いてるんですが、

 

実は雇用についてのAIの影響は女性のほうがモロかぶるようで、イラストも女性にしたほうが現実に近いのかも...とちょっと後から思いました。

吉永さんのコラムの話からはちょっと離れますが、こういう記事もあるんですよね。

mainichi.jp国際労働機関(ILO)によりますと、AIが世界の雇用に与える潜在的な影響は男女間で差があって、女性の雇用影響のほうが2倍以上高いらしいのです。

まあ、でもこの話、AIの影響を受けるリスクが最も大きいのは「補助的業務」なので、女性の雇用が「秘書や銀行の窓口、データ入力、会計や簿記など事務支援の業務」に偏ってるからそうなってしまうようで、じゃあそもそも、男性がやってるような「主導権を持った雇用ポジション」を任される女性が少ない事が問題なのでは?って感じもありますね。そう思うとAIとか以前に、まだまだ社会設計が平等になってないので、その社会を現状肯定しながら効率化のためにAIだけ導入したら不公平も加速されちゃうんじゃない?みたいな話なのかもしれませんが。

でもねー、いっぽうで、世の中みんながみんな有能バリバリってわけではないですし、そうなりたいと思ってる人ばかりでもなかったり、教育や環境格差もありますし、いろんな状況があるとも思うので、適正条件の単純労働や補助的労働の雇用の場が開かれているというのも必要なんじゃないかなとも思ったりもします。そういう場が全部AIに置き換わって「めちゃ優秀な人にならないと仕事がない」みたいな社会も、しんどいというか厳しいというか...「AIが全部仕事してくれるから人々はゆったりゆたかに自由時間を謳歌できる社会」とは心の中に生きる素晴らしいガンダーラ、まーぼーろーしーなーのかー。

 

てなわけで、やはり、AIがどんなに発達しても、人間社会の倫理や規範や公平性とか、「社会をどういう形態にしていくのが望ましいのか」を考えるのは人間がやらないとあかんですよね。

 

しかし、こないだ友人と飲んでて、社会のあれこれうまくいってない事柄についてあーだこーだ床屋政談ならぬ飲み屋政談してましたら、友人の一人が「いっそ政治もAIに任せたほうが人間より賢くてよっぽど公正にやってくれるんでは?」みたいな話をしていて、うーん、実はそうだったりして...と、笑うに笑えない話になってしまいました。酒が苦いぜ、ちゃんちゃん。

 

 

最近の仕事紹介です

いやー、暑い日が続きますね。今日は最近の仕事紹介をいくつかまとめまして。

 

ダイヤモンドzai9月号で「図解!投信の買い方ガイド!」特集ページイラストを描きました。

 

こちらはnico8月号で「鼻うがい」の特集ページです。実は鼻うがいってやったことないんですけど、よさそうなのでやってみようかなあ?

 

PHPスペシャル8月号で李家幽竹さんの風水の特集記事の挿絵を描きました。

李家幽竹さんのご本で以前イラストを描いたこともありまして、そちらについては前にこちらで紹介もしていましたね。

saoriotsukadiary.hatenablog.jp

 

また、11月に行われる東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団さんの第365回定期演奏会 歌劇「トスカ」の特設ウェブサイトの中でイラストを描いています。こちらは仕事をしたのは実はコロナ直前ぐらいでして、延期になっていたのですが、ついに無事公演となりました!

www.cityphil.jp

挿絵の入った物語紹介になっておりまして、人物相関図つきで読み応えがあります、ぜひごらんくださいませー。

 

それと、日経新聞の毎週の挿絵「元気の処方箋」、最近はこんな感じの絵を描いています。

 

仕事というのは、やるのは当たり前の日々なんですが、紹介はつい後回しになりがちですね。「実働好きの営業(経理も)苦手」みたいなの、自由業にありがちなジレンマだと思います、ははは(それじゃいかーん)。

ですんで、いつもついついまとめてになったり紹介しきれないものもあったりですが、せっかくなら多くのひとにみてもらいたいなあとも思います。

自分で見返すと、ひとつひとつの仕事が大事だなあとつくづく思ったりもしますしね。そろそろHPの仕事実績のコーナーも更新しなくては。

菜食晩酌日記 第17回 つりさがる ゴーヤ数えつ ほくそ笑む

というわけでゴーヤの季節ですよ。
我が家のゴーヤカーテン、今年は遅めにスタートしたんですが順調で、毎日2つづつぐらい収穫でき、うきうきゴーヤライフを満喫しています。この部屋は強烈な朝日が当たり朝5時ぐらいから寝苦しかったのですが、近年はゴーヤカーテンと遮光カーテンのおかげ(遮光カーテンだけより明らかに効果あります)で、エアコンなしでも快眠です。日よけにもなるし、おいしいしで、なんて優秀なの、ゴーヤ!
ちなみにここは北向きのベランダなのですが、朝日しか当たらないのにゴーヤもよく育つし、下の方の日陰ではかいわれを育てるのにもちょうどよく、他には万年だんまりのミョウガ空芯菜、シソなどを育てている食い気しかないベランダです。

まあ、いずれも日陰なんで、そんなに大きくなってはくれないんですが。

 

さて、ゴーヤの楽しみは1日にしてならず。
まずは蕾を丹念に眺めて雌花を発見するところから期待に胸のときめきが止まりません。

観察してるとハチっぽい大小さまざまな虫たちがひっきりなしにやってきているので受粉に不安はない(ありがたいですね、がんばれ虫ちゃんたちよ)のですが、ついついわたしもおせっかいで雌花を見つけると雄花をちょんちょんとくっつけてみたりします。しっかり実を結んでおくれ。

かくして、わたしの期待とともに膨らんでゆくゴーヤ、ついには収穫。ほほほ。

そして毎年育てている割に、「いつが収穫ベスト時期なのか」というのがよくわからなかったりもするんですが、だいたい大きくなってきて、ぼこぼこが大きくふっくらしてきたら採っています。が、「あと1日待てばもっと大きくなったんでは?」と思う事もあるのですが、だからといってあと1日待ったら次の朝はゴーヤ大爆発の後、覆水盆に返らず状態を発見したりもしばしばありまして、人間の欲深さを戒めてくれるありがたーい植物ですね、ちぇっ。

上は日当たりが良かった実、下は葉の陰で育った実。味は特に変わらないような...。

 

 

そうこうして毎日採れるゴーヤ、どのように食べてるかというと、意外とレパートリーは少なくて、

 

1位 ゴーヤのペペロンチーノ

これ大好き。毎日これでいい。まいたけと油揚がベストパートナー。きりっと冷えた白ワインに合うね。

 

2位 ゴーヤチャンプルー

これも大好き。毎日これでいい。大豆ミートそぼろタイプと豆腐で。ビール持ってきてください。

 

3位 ゴーヤのくるみ和え

いつも書いてますが副菜ならこれで決まり!ビール追加で。

これは前にレシピ書いてますね。

 

という感じ(暑くて献立考えるのがめんどくさいというのもありますね)ですが、他にも、唐揚げとか、ナムルとか、ピリ辛の佃煮とか、チヂミとか、可能性は無限に広がっており「もうゴーヤは飽き飽きだよ」とかは全然ならないような気がします。書いてたらお腹減ってしまいました、今日はめずらしく唐揚げにしてみよっと。

ではでは。

タトゥイーンでは物々交換

先日、ホームセンターに行ったら、R2D2が餅を売ってたんですよ。

何の話だって感じですが、買い物中にふと後ろに気配を感じて振り返ったらR2D2みたいなサイズ感の歩行ロボットが販売促進要員として駆り出されて、なんだか餅的な商品を店内で売ってたんです。人にぶつからないような距離感を保ちつつ練り歩くその姿。そしてその餅を誰も買おうとしないさまを見て、

「テクノロジー なければないで よくないか」

と一句読んでしまいました。なんだかフシギな光景でした。 

 

まあ、餅屋ロボットはシュールなのでなんとなく気になったんですが、気がつけば電車の改札はもう昔はカチャンカチャンと切符切ってたなんて若い人に言っても冗談だと思われてしまうんじゃないかって感じでプリペイドカードすらいらずに電話で払ってますし、スーパーのレジでも自分でピッなんつってカゴに入れる時にバーコード読んでますし、OKアレクサとか呪文を唱えればあれこれしてもらえるらしい(わたしはしてないですけど)し、お掃除ロボットちゃんは猫を乗せて家中闊歩してますし(うちには導入されてないですが)、当たり前のようにハイテクに取り囲まれて久しいです。

 

便利っちゃあ便利なんですが、ハイテクを使いこなせない人やガジェット持ってない人には逆にその便利さまでたどり着くのが難しかったりもしますね。古参のハイテク、PCとかだってセットアップとかインストールとか今でもタイヘンなままですし。そうした「進化」、ちょっと前までは「親の世代などはもうついて行けないよなあ」なんて思ってたら、いよいよ自分もなんだかもうついていけないなあと感じることが最近多くなりました、特にお金周りのことについて。

 

というのは、銀行のネットバンキングを利用してたんですが、最近制度が変わりましていろいろ手続きをしないといけなくなったんですが、そういうのがもう異常に面倒くさい。あれをするためには別のあれが必要でそれを手に入れるためにはこれを郵送で再発行して、その再発行したやつを使ってアプリの設定をするにはまた銀行に直接行って別のあれも手続きしなきゃいけなくて、銀行行ったらハンコ忘れて一回戻り、やっと満を持してアプリの設定をしたら、また新しいパスワード考えなくっちゃ、とか、SMSから送られたワンタイムパスワードをアプリ切り替えてるうちに忘れた、とか、もう中高年の脳みそには厳しいです。

このサービスではないですが、「SMS認証を送りました」とか言われて待てど暮らせど送られてこないんだけどハテ...?と思ってカスタマーセンターに電話したら15分ぐらい待たされてついに人と話せたと思えば「そのお問い合わせはこちらではないので別の窓口を...」みたいなことが延々と続いた事もあり、世の設定と名がつく作業のすべてが煩わしい。便利ってなんだったっけ...?という虚無感に襲われています。

↓ちなみにこういう認証システムも苦手です。

 

銀行に限らず、電話の契約とか、ネットの契約とか、最初は「ハイここにちょこっとお名前と住所書いていただければ気軽にすぐどなたでもお使いになれますよ」みたいな謳い文句でやってきたのに、知らぬ間に運営会社が変わったとかルールが変わったとか決済方法が変わったとか、手続きを強いられた際には「100年前ぐらいに設定したパスワードがないとどーにもこーにもにっちもさっちも行きません」とか「その身分証明書はもはや身分証明になりません」「あなたのご登録はありません(いやそんなはずはない)」みたいな事が判明して愕然とする、というような事が多いです。

 

ところで、スターウォーズのような未来世界ではお金の決済ってどうなってるのかしらん、そういやあんまりお金払ってるのとか気にしてなかったな、と思って検索してみましたら、スターウォーズの鉄人さんという老舗ファンサイトではこのように説明されていました。

www.starwars.jpかいつまんで言うと、「宇宙共通便利通貨チップがあったんだけど、戦争で信用不安が起こって現金やローカル通貨が重宝されるようになって、帝国が崩壊したら両替すらままならなくなったので最終的には物々交換」って感じでしょうか(合ってる?)

 

次々と移り変わりの激しいテクノロジーにも翻弄されがちですが、しかしさりとて物々交換に回帰した世界も、交渉能力が低くて計算も苦手なわたしのような人間には結構きびしいね、あーこりゃ。

ちなみに、わたしは人間力も低く気が利かないタイプなんで、「小さな集落で人間関係のあたたかさで成り立つ交換経済社会」みたいなユートピアにもうまく馴染めないのではないかとも思ったり。だめじゃん。でも、世の中そういう人間関係下手の人、わたしだけでなく結構いると思うんで、そういう人へのニーズを当て込んでAIチャットなどが活発に開発されてるのかもしれないな、と妙に腑に落ちたりして。(そしてAIに尋ねると埒があかずに堂々巡りになり「人間と話をさせて!」という気分になる事も多々です)

 

脱線しましたが、お金の決済などの手続きも究極的にはAIチャット的なものがもっと進化して「ヘイ、AIちゃん、面倒くさい手続き全部代わりにやっといてくれる?」とか話しかければ一挙解決、というところまでいけばいいんじゃない?と思わなくもないんですが、そうなったらなったでセキュリティが非常にやばそうでやっぱり心配です。助けてオビワンケノービ!

 

仕事の紹介です

またご無沙汰しちゃいました。

さて、少し仕事紹介でも。

こちらは5月号のしんきんsmileさんです。しんきんsmileさんでは時々仕事をしていますが、今回はサウナについてです。梅雨のじめじめ期、サウナとか行ったらすかっとしそうな気もしますね(と言いつつ、サウナって行ったことないんですが!)

 

梅雨といえば、「はれ予報」の吉永みち子さんのコラム「鳥の目虫の目魚の目」、6月のテーマはずばり梅雨でした。降り込められるのは憂鬱ですが、逆に言えば家でやることに集中できる季節かも、というところに吉永さんは注目しています。

 

確かにそうですね。わたしも、気候がいいとついふらふら遊びに行きたくなるんで、冬とか梅雨のほうが仕事や家でやらなきゃいけないことに集中できるかも。イラストは梅雨の不思議な空気感を意識してみました。

しかし梅雨はきのこ見にいかなきゃいけないというのもありますが。脱線しますがこないだ今年初のタマゴタケちゃんに出会いましたよ。

ほーらりっぱなぴかぴかのお姿。

 

さて、集中の香山リカさんのコラム「医者のココロ、患者のキモチ」、今回のテーマは

医療現場での「ガスライティング」。


ガスライティングというのは最近よく聞くワードですが、なんじゃらほいというと、映画「ガス燈」が語源で、この映画の中では主人公が必死で訴えることを、夫が「この人は疲れてるから...」とかみたいに言い「妻(主人公)がおかしい」と印象付けるんですね。そういう感じで「この人の言うことはまともに取り合うようなことではない」というような印象付けを行ったり、そのために相手を混乱させるような状況を作ったりして訴えの正当性を無化しようとする、そういう嫌がらせというか心理的な追い詰めのことを言うそうです。ガス「ライティング」なのにされた方は照らされるどころか煙に巻かれてしまうというような感じですね。

この場合、訴えてる側が権威がなかったり弱い立場で、ガスライティングを行う側が権威側だったり強い立場だったりすると周囲の人はそのガスライティングに従ってしまうことが多いので、医療などの現場でも患者さんの訴えがお医者さんによって悪意がなくともガスライティングされてしまう、という事が起こってしまう可能性はあるというようなお話です。

香山さんはいつも、タイトル通りお医者さんの立場からの心理も、患者さんの立場からそれがどう感じられるかも考察してくれて、こういうお医者さんがいると頼もしいなあと読みながらいつも思います。

 

 

裏にも絵がちょこっとあるのがかわいい。

こちらは以前も紹介したので見たことあるかとも思いますが、彩図社さんから出た「教養として知っておきたい33の経済理論」、四六判、大判と出て今度は文庫版になりました。様々な版を重ねて多くの人に読んでもらっているようでありがたいですね!彩図社さんでは「論理的思考力を鍛える33の思考実験」とその続編もロングセラーになっています。いずれの本も読みやすいように楽しいイラストをふんだんに描いておりますので、機会があればご覧くださればうれしいです。

 



 

ところで。

今年は11月末におおの麻里さん、門馬則雄、わたしの三人、noranoha で展覧会をしようと思っておりまして、現在作品の構想中です。

久しぶりの展覧会なんで楽しく絵を描きたいですし、いろいろ新しいインスピレーションを得たいなあと思って本を読んだり画材を試してみたりと頭の中が忙しかったり習作段階で、まだ展示作品を作るぐらいにはなかなか進んでないというか試行錯誤中なんですが...ははは。梅雨なんで引きこもって集中したいものです。ぼやっとしてるうちにすぐ11月になるし、怖っ。

こちらの件はまた追ってたびたびお知らせいたしますね、お楽しみに(してね!)

noranohaはこちらです。

noranoha.thebase.in

 

ではではまた。

 

コンポストふたたびの巻

お題「もっと早くやっておけばよかったと思う事」

お前はどんだけコンポストの話が好きなんだ。って感じがしますが、はい、好きなんです。今日はお題をお借りして便乗しておりますが、コンポストほど「もっと早くやっとけばよかった」と思うものはありません(いや、他にも貯金とか勉強とかあるけどさー、それらはもう手遅れじゃね?というかやる気あんのかって感じが...)

 

さて、ということでコンポストの話題をしつこくしていくわけですが、読む側の方が好きかどうかわかりませんので、今回は好きな人のみを対象にしております、すみません。

 

先日図書館でこういう本があったのを見つけましてですね。

(余談ですが大和市の図書館Siriusは城みたいな図書館で無限の蔵書といくらでもいられる快適空間で最高です、近隣市民なのに使わせてくれてありがとうありがとう)

 

結構昔の本なんですが、なかなか興味深いです、というか、めっちゃマニアックでコンポストに投入するものの特性とか窒素リン酸カリ比率とかかなり詳しく載ってたり、コンポスト愛好者には必携の一冊となっておりますんで、古本探して(絶版みたいなんで)手元に置いときたいです。

ただ、アメリカの広大なスケール感なので日本のちまちましたベランダコンポスト愛好家には参考にならない部分もありますが。「オレンジやグレープフルーツの加工工場の近くに住んでいる人は、ぜひともその工場の廃棄物を使ってください」とか「ワイン醸造所では、ブドウをしぼる時期にブドウの皮、種、茎などの廃棄物がトン単位で放出されます」みたいなトラックで工場に乗り付ける気満々の人向けの情報とかがままあり、まあ関係ないですね。

オレンジの皮といえば、わたしがバケツコンポストを始めた時「かんきつの皮は入れないでください」って説明を読んだ気がするんですが、あれはなんだったんだろうか。農薬や防腐剤とかの影響を気にしてという事かな?...と、わたしは前から常々、本などで「コンポストに◯◯は入れないほうがよい」と書いてあるのを読んで、なんで??って思うことが多かったんです。

この◯◯にはいろんなものが入るんですが、まあ、明らかに分解されないもの(プラスチックとかね)や有害なもの(化学物質とか)は分かるんですが、他のものは大体「分解が遅い」という話で落ち着くようです。先ほどの本ではその辺も理由など詳しく書いてあり、例えば松の葉はクチンというワックス状物質で覆われていて分解が遅い上、酸性度が高いので堆肥が酸性に傾くらしいです(ブルーベリーの土に入れるとかならいいかもしんない)。

でもオレンジについてはその本には「いい窒素供給源になる」とはあったんですが、入れちゃダメとかそういう説明はなかったです。アレ?。松葉のクチンのようにリモネンも影響あるのかなと推理したんですが、やっぱりよくわからないですね。

分解の遅さの話に戻るんですが、どうも堆肥にするものに窒素分が少ないと分解が進まないというメカニズムがあるようです。枯葉、特に水分を失ったものは窒素分が低いらしく、そういうものを大量に処理する場合窒素分を補うほうがよさそうです。だから枯れ落ち葉はコンポストというよりもっと時間かけて腐葉土にするのかな、ははーん。

なお、植物性のものより動物性のもののほうが窒素分は多いらしいんですが、うちは動物性のものはないので、他の植物性の窒素の多いものは何かしら、とか調べるのにもこの本は便利です。

ちなみに、ヘンな話ですが、本によると猫などペットの毛と人間の毛は窒素分の補給になるので堆肥に混ぜてよいそうです。が、排泄物とかはダメです、トキソプラズマとかとかいろいろありますし、衛生管理が難しいですからね。というわけで、猫ちゃんの抜け毛は混ぜてもいいかもしんない。

また、わたしの体感では分解が遅いものはとにかく細かくして、切り返し(混ぜて空気を送る)をまめにやればよいかなという感じがします。

去年の秋ですが、グリーンカーテンのゴーヤを撤収した時に大量に残渣(枯れたもの)が出ました。こういういっぺんに大量の剪定枝が出た時などはうちの貧弱なバケツ式コンポスターではすぐいっぱいになっちゃうんで仕方なくゴミに出したりしてたんですが、やっぱりそれもなんだか負けた気がする。と最近は思いまして。残渣だけで積んで腐葉土にできないかと作り方を調べたんですが「枯葉を適度に湿らせて積んで踏んで、1年」。1年はちょっと待てねえな。やっぱり土の力を借りるキエーロ的なコンポスト方式が早いのではないか。

というわけで、いつものコンポスターとは別のポリバケツっぽい容器を用意しまして、土を入れ、ひたすらゴーヤの枝とかを細かくちょきちょき切ってですね、土に米ぬかとともに混ぜ込んで埋めときました。

で、経過を見てたんですが、ちょうど冬に向かうんで分解速度も遅いというのもあるんですが、枝が結構「わしゃセルロースでござい」って感じのままで、3日に1回ぐらい切り返してたんですが、どーも「土に繊維混ぜた感じのやつ」という状態、言ってみりゃこれ塗ったら土壁とか作れそうな様相なんですよ。こりゃいかんな、まだちょきちょきが足りないね。というんで、思いついた時にちょきちょきちょきちょきハサミでその繊維を切りながら混ぜる事ひと冬(暇人)。

春になって気温が高まって、やっと最近いい感じに分解してきました。そこで、ちょっとさらに実験を。春になるとベランダのあちこちでダンゴムシちゃんを見かけるわけですが、そのゴーヤのバケツを二つに分けまして、片方は集めてきたダンゴムシちゃんたちに引っ越ししてもらい切返さずにダンゴムシちゃんパワーに期待、片方はダンゴムシちゃんなしで切り返し続けるとどっちが先に分解してくれるかしらん。というのを今試しています。

ベランダ履き掃除した時に出たマサキの葉も若干入ってます。

 

途中経過としては、やっぱり切り返してるほうが早い感じはするんですが、ちょっと覗き込むと昼間ダンゴムシちゃんたちが集まって眠ってたりするので、なごむ。というよくわからない展開になっております。で、もっとお食べ、とか雑草引っこ抜いたのとかもさらに追加してみたりして、もうなんか比較実験どっかいっちゃってる今日この頃です。...って結局1年近くかかってるような...素直に腐葉土作っとけばよかったかしらん。

 

ところで、うちのコンポストで「いつまでも分解しないでいるヤツNo.1」は圧倒的にかぼちゃの種です。発芽してくるのも多いですが、殻もいつまでも分解しないですねー。ま、気にせず土に混ぜちゃってますけど。あと落花生の殻もしぶといです。あとはやっぱりマサキとかオリーブの葉も遅いですねー。これらをダンゴムシちゃんは食べてくれるのか、今後その辺を研究していきたい。

ではでは。

 

過去のコンポスト話はこちら。