saoriotsuka-diary

イラストレーター大塚砂織の由無し事を綴るページです。仕事の紹介もしますが、ベランダ園芸の話やたわいない話が多いかも。

AI社会はつらいよーはれ予報2023年9月号のお仕事

今日はちょこっとお仕事紹介。はれ予報8月号の吉永みち子さんの連載「虫の目鳥の目魚の目」、今回のお題はAIとの共存についてです。

毎回とても興味深いコラムですんで、著作権的な事情でモザイクをかけているのでみなさんに読んでもらえないのが残念です、もしもしんきんはれ予報を読む機会がある方いらしたらぜひ読んでみてくださいませ。

AIはすごいスピードで社会に浸透しているので、共存せざるをえないと思うのですが、うーん、やっぱりなんだかちょっとディストピアSF的な懸念もいろいろありますねー。まず、共存できるのかと問われるとわたしの仕事的なジャンル、まっさきにやばいよね。っていつも思って怯えてるんですが。とほほ。

 

ちょっと前に自分のブログでも「テクノロジーに自分がついてけない問題」を書きましたが、自分のことはまあ置いといても、

「AIの進化に伴う社会の矛盾や新たな問題などが起こるスピードに対して、それにどう対処したらいいのかという事を考える人間の思考や社会合意形成のスピードが全然追っつかない」

というような事が起こってくるのは目に見えている感じがするんですが、どうしたらいいのでしょうねーこりゃこりゃ。

 

なお、右下のちっちゃいイラストは「AIで雇用がなくなり相談する先の相談員さえもAI」みたいな皮肉でここでは失業者は男性で描いてるんですが、

 

実は雇用についてのAIの影響は女性のほうがモロかぶるようで、イラストも女性にしたほうが現実に近いのかも...とちょっと後から思いました。

吉永さんのコラムの話からはちょっと離れますが、こういう記事もあるんですよね。

mainichi.jp国際労働機関(ILO)によりますと、AIが世界の雇用に与える潜在的な影響は男女間で差があって、女性の雇用影響のほうが2倍以上高いらしいのです。

まあ、でもこの話、AIの影響を受けるリスクが最も大きいのは「補助的業務」なので、女性の雇用が「秘書や銀行の窓口、データ入力、会計や簿記など事務支援の業務」に偏ってるからそうなってしまうようで、じゃあそもそも、男性がやってるような「主導権を持った雇用ポジション」を任される女性が少ない事が問題なのでは?って感じもありますね。そう思うとAIとか以前に、まだまだ社会設計が平等になってないので、その社会を現状肯定しながら効率化のためにAIだけ導入したら不公平も加速されちゃうんじゃない?みたいな話なのかもしれませんが。

でもねー、いっぽうで、世の中みんながみんな有能バリバリってわけではないですし、そうなりたいと思ってる人ばかりでもなかったり、教育や環境格差もありますし、いろんな状況があるとも思うので、適正条件の単純労働や補助的労働の雇用の場が開かれているというのも必要なんじゃないかなとも思ったりもします。そういう場が全部AIに置き換わって「めちゃ優秀な人にならないと仕事がない」みたいな社会も、しんどいというか厳しいというか...「AIが全部仕事してくれるから人々はゆったりゆたかに自由時間を謳歌できる社会」とは心の中に生きる素晴らしいガンダーラ、まーぼーろーしーなーのかー。

 

てなわけで、やはり、AIがどんなに発達しても、人間社会の倫理や規範や公平性とか、「社会をどういう形態にしていくのが望ましいのか」を考えるのは人間がやらないとあかんですよね。

 

しかし、こないだ友人と飲んでて、社会のあれこれうまくいってない事柄についてあーだこーだ床屋政談ならぬ飲み屋政談してましたら、友人の一人が「いっそ政治もAIに任せたほうが人間より賢くてよっぽど公正にやってくれるんでは?」みたいな話をしていて、うーん、実はそうだったりして...と、笑うに笑えない話になってしまいました。酒が苦いぜ、ちゃんちゃん。