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古本屋や古道具、蚤の市なんかを眺めるのが好きで、旅行先でもちょいと立ち寄った町でも、そういうゾーンには灯火の蛾のようにひきよせられてしまうのですが、以前何回かパリに旅行に行った時にもよく蚤の市に行ったものでした。特にあれこれ買わなくても、いろんな時代の生活道具やら古い写真やらなにやら、これはどんな人がどんな時に使うものだったのだろうとか眺めていると、一日中ぶらぶらしてても飽きないですね。で、結局大したものは買わないのですが、古い写真やポストカードはよく買います。紙ものは軽くてお値段も気軽なわりに、心のインスピレーションを刺激してくれるので大好きです。本よりかさばらないし(と、言いつつ、紙ものも「捨てられないもの」上位にくるもので、ぜんぶいつまでも捨てられないから結局かさばりまくり、いろんなところに未整理で詰め込んでしまうので、どこに行ったかリスのどんぐりってな具合で収拾がつきません。ま、いいや、私の墓標にゃ「混沌」って刻んでくれぃ。)
んで、この絵は、そんな蚤の市の思い出の写真から着想を得て描いたものです。
写真はこちら。
いつのどなたが撮ったどなたの写真なのかは存じあげないのですが、ジャック・アンリ・ラルティーグの写真のような「古き良き」でありつつも昨日のような鮮やかな日常を切り取った雰囲気です。浜辺で楽しむご婦人方3人組の様子がなんだかユーモラスで、のびのびとしたバカンスの1日の開放感が満ちてる、いい写真だなあと思います。
浜辺のバカンスは写真やポストカードの題材に人気があったようで、他にもこんなポストカードも持っています。
つないだ手がかわいらしい。
浜辺はいいですね。月並みですが、広がる海の水平線には日頃の役割分担やしがらみを忘れさせてくれるおおらかさがあります。普段自分のちっぽけさにくよくよしがちですが、ちっぽけで当たり前だよなあ、海はこんなに広いものね。というような、安らかな無力感に包まれますね。いつまでも浜辺でぼーっとしていたい。(ぼーっとしてるといえば、まあ、いつもPCの前でぼーっとしてるんですけど、その場合あらゆるやるべきことがはかどっていない安らかでない無力感とともにあるわけで...)
浜辺をモチーフにした絵を描くのも好きで、こんな絵も前に描いてました。
これは、架空の本の表紙というコンセプトでした。どんな本かは...話し出すと長くなりそうなんで、まあそれはまた別の話ということで。
他にも、こんなのやこんなのも。
そういえば去年の夏のHPのトップページのイラストも浜辺の二人でした。
仕事で描いたものも。
好きなモチーフはついつい繰り返し描いちゃうものですね。まあ、毎回同じ表現にならないよう、ちょこっと変えたりしつつも、これからも浜辺の絵は増えそうです。作品はまあ仕方ないんですが、ポストカードやら映画のフライヤーやら可愛い包装紙やら、現世は厖大な紙ものが吹き寄せる此岸の浜辺でありまして、広々とした海への憧れはますます募るばかりです。
ではでは。