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画家や作家のアトリエって憧れますよね。って、いきなり断定調ですみませんが、わたしは憧れます。まあ、アトリエに限らず人のお家のしつらいはなんでも見るのが楽しいというのもありますが、特にアトリエや仕事部屋にはその人の興味関心が詰まってる感じがするので、見る機会があるならばわくわくしてみちゃいます。
ピカソとかミロ、ブランクーシのアトリエとか、そういうのの写真を見てると飽きません。トーベ・ヤンソン展に昔行った時も、トーベの海辺のアトリエの再現コーナーには胸ときめきました。
そういえば、画家ではなくて作家についての「作家の家―創作の現場を訪ねて」という写真集を持ってるんですが、その本も楽しいです。人選が有名どころから通好みの渋い人まで揃ってて、写真もいいですがその人となりを紹介してあって読み物としても面白い。理想の家を作ったのに理想の家庭は作れなかったのか、孤独とアルコールに愛し愛されたフォークナーとか、「自分だけの部屋」で作家活動に打ち込んだヴァージニア・ウルフが「書くことと読むことに限りなく時間を費やした後、私の本当の才能はカーペットを作ることにあると判明したの」という意外な話を姪への手紙にかいていたり、人間というのは一筋縄ではいかないもんです。ユルスナールの著作を読んだことがないのですが、イメージとしては硬派な感じがしてたんですが、彼女の住んでいた「プティット・プレザンス」と呼ばれた家はいい感じにラブリーで、キッチンなどわたし好みのコージーな感じで、居間にどういういきさつか象(ババール?)のかわいらしいぬいぐるみが置いてあったんで俄然興味が湧き、「黒の過程」を買ったんですが、積ん読して久しいことを今これを書いてて思い出しました。年末年始に読もうかしら。
翻って今、わたしはマンション住まいの一角で散らかり放題、文具と画材と生活用品のカオスの中、机の半分を猫に占領されて実質A4ぐらいのスペースしか絵を描けるスペースがない状態で作業しております、とほほ。実家にアトリエがあるんですが、コロナ状況であまり通えず、そっちも今じゃ物置小屋。これじゃいかん、と思いますんで、来年の抱負は仕事場を片付けてまた使えるようにしたいです。でも、とりあえず今の所はおしゃれアトリエには程遠いのであった。
しかし、そんな小市民イラストレーターにも希望の星が。ジーン・ケリーの「巴里のアメリカ人」という映画の冒頭には、アメリカ人画家ジーン・ケリー(似合ってないよね、画家...)が住んでるアパルトマン、ベッドは天井に片付けられるし、折りたたみ家具なんか駆使してヒース・ロビンソンの絵みたいな工夫狭小住宅画家ライフをエンジョイしてるというシーンがありまして、子供の頃あれを見て、すごい好きだなあ...と思い心に強烈に印象が残っています。が、映画の内容はぼんやりとしか覚えてないな、気づけば。年末年始に見直そうかしらん。って、年末年始から来年への抱負を無謀にも積みたい放題積んでいくのだった(多分どれも実現しない)。まあ、そんなわけで、狭いながらも楽しい我がアトリエ、ってなもんです。そう、それと、狭いアトリエにも利点がありまして、暖房費などがかからずエコですね。
仕事部屋は汚すぎてとっても人様にお見せできませんが、ダイニングはこんな感じの我が家。仕事部屋が散らかりすぎてる時はここに避難して書きものをしたり仕事したりしてます。全然上の絵みたいなすてきな天井高いアトリエじゃないのでした。いいのよ絵は憧れを描くものなんだから。こりゃこりゃ。
ではでは。