今日は仕事紹介です。
信濃毎日新聞で連載中の平田仁子さんのコラム「思索のノート〈脱炭素の先へ〉」ももう第6回になりました。第4回、第5回をこちらで紹介しそびれてましたんで第6回の紹介とともに。
第4回は「守るべき未来の命 考えたい」ということで、年々激しさを増す夏の猛暑で熱中症警報は将来の危機への警鐘だというお話です。
文中、気候変動をテーマにした「未来省」(キム・スタンリー・ロビンソン 著・瀬尾 具実子 翻訳) という近未来小説について言及がありまして、わたしもこの小説を読みました。冒頭インドで恐ろしい熱波があり凄まじい数の人が亡くなるという展開があるのですが、これがもう、絵空ごとでなく、人数の差こそあれ、世界のあちこちで実際起こりつつあるので本当に怖いです。
何度も書いてますが、おそらく今の猛暑はこの先からすると「あの時はまだ涼しかった」になってしまうのは確定していて、しかも温暖化ガス排出を全力で止めても、今以下には下がらない、つまり「今より涼しくする」は無理で、「今より暑くしない、悪くしない」という方向でしかもう対処できないのが気候変動問題です。それでも「今より悪くしない」ということについてはまだまだ取り組めることが今ならたくさんあるんで、希望を捨てずがんばらないと、ほったらかしてたら今より確実に悪くなる未来しかないんですよね。
イラストタイトルは「Après moi...」です。"我なき後洪水よ来れ"じゃ困るよね、という。
ということで第5回では、「世論・変化は一人の一歩から」というお話。
現状ではそもそも政治自体が気候変動に対して関心が低く、対策への意欲も実践も全然足りていないのですが、そういう時、じゃあ、わたしたちちっぽけ市民に何ができるのか、という問いに平田さんが答えます。
それは、わたしたちが関心を持ってるということを示す、身近なところからでも話題にする、というようなところから「世論を作る」ことを始められるんですね。
わたしも以前ブログで書きましたが、「個人にできること」の対策をするだけでなく、「それでは全然足りない」ということに気付いてシステムを変えるための対策を要求していくようになるというのが大事かと思います。(でも、これはわたしの持論ですが、「個人で努力する」をやっていくと「温暖化問題に自分ごととして関心がある」という状態になるので、無関心状態や「なんとなく誰かがちゃんとやっててくれるんだろう」と思ってる状態よりはずっと現状を正確に理解するために役立つと思います。「あーこりゃ大元のシステムとか大口排出先をどうにかしないとどーにもならんよね」って理不尽なシステムになってるところに気づくようになるので)。
イラストタイトルは"Roots and shoots"。ジェーン・グドールさんが主催する同名のプロジェクトがありますが、草の根から、若い人から、教育を力にして世界を変えていこうというすばらしい取り組みです。わたしたちも巨大な背広族ワールドに「一寸の虫にも五分の魂」でがんばりたいものですね。
そして第6回は、「「行動する人」の集結、強みに 先進的に取り組む信州に熱視線」というお話で、実際に気候変動対策をリードしている長野県の取り組みの紹介です。長野では「地球温暖化対策条例」と議会提案の「脱炭素社会づくり条例」「長野県ゼロカーボン戦略」などにより、2030年までに温室効果ガスを60%削減する目標に政府より積極的に取り組んでいるのですね。こうしたよい流れを生み出しているのは何か?というお話です。
イラストタイトルは"Second Wind"。都市で決めたことを地方部へ、というような流れとはまた別の第二の風The second wind、という意味と、「息をととのえ、元気を取り戻す」a second windの両方の意味を込めて、信州で膨らませたシャボン玉が都市部へ活力を与えに飛んでいくというような感じです。
記事はこちらで読めますのでぜひ読んでみてください!
www.shinmai.co.jp平田さんが代表理事を務めるClimate Integrateのページからもバックナンバーを読むことができます。
わたしの拙い紹介文では全然伝え切れておりませんので、ぜひ実際に読んでみていただけますとうれしいのです!