saoriotsuka-diary

イラストレーター大塚砂織の由無し事を綴るページです。仕事の紹介もしますが、ベランダ園芸の話やたわいない話が多いかも。

菜食晩酌日記 第2回 なかなか今夜食わないやつ

暑くなってくるとてきめんそうめんが食べたいわたしです。

そうめんの時ってどういう献立にします?うちの定番は、なんか炒め物と、もう一品箸休め的な、って感じですが、今日は刺身こんにゃくが食べたい気分でもあったので、刺身こんにゃくでタタキ風にしてみました。あとは厚揚げと野菜で黒酢あんかけっぽいものを。

 

刺身こんにゃくは、玉ねぎスライス、シソ、ミョウガ、かいわれ(くどいですが自家製)などを散らし、生姜と醤油、酢と少しのえごま油でたれを作ってかけてマリネにしました。わたしは親の実家が高知だったもので、昔はかつおのタタキなどこんな感じのものを食べてました。これはまあそれっぽく作ってはいるんですが、こんにゃくですのでこってり感とかはなくてつるんぷりんしゃくしゃくさっぱり、サラダの一種でやっぱり別物です。別物だけど、こっちもこれはこれでうまい。生姜の香りと玉ねぎの旨味がいい仕事をしててうだる暑さの日にはぴったりです。

 

黒酢あんかけの方は、大戸屋に「野菜の黒酢あんかけ」というメニューがあるんですが、そんな感じです。ごま油で炒めた野菜と厚揚げに醤油、黒酢、砂糖、みりん、片栗粉のあんをからめる、みたいな。今日は特に生姜やにんにくは使わないあっさり炒めでしたが、香味を効かせて野菜を炒めても一層美味かと。厚揚げを大豆ミートの唐揚げとかにしてもいいんですが、なんたって厚揚げはもうすでに揚げてあるんで簡単ですぐおいしい。あと、この時期はズッキーニが安くていいですね。ズッキーニ、和洋中なんでもいける粋なヤツ。さくっとしてるのにジューシーで大好きです。

 

今日のポイント

・こんにゃくは「今夜食う」なんてダジャレが昔ありましたが(知ってる?)、むしろ開封前賞味期限が結構長くて買い置きが効くので買い置きしてます。なんかおかずをもう一品、という時に何かと便利食材。しかし、いつでも君には会えるから、と油断して使わないままチルド室の主になってることもあるんで注意です。他にうちでチルド室のスタメンは紅生姜と豆乳チーズシュレッドとうめぼしですね。

・知ってる方も多いかもですが、そうめん茹でる時は、湧いたお湯に投入して、ひとしきりよくかき混ぜたたら火を止めて蓋しといてほっといてもできる(ガス省エネ)。吹きこぼれを気にしなくていいのでその間にちゃちゃっと他の配膳とかできます。ただし、かき混ぜが足りないと束状の塊そうめん(そうめんの良さが死んでる)を食べる羽目になるので注意です。

 

そうめん好きすぎて油断すると無限に食べられるのでたくさん茹で過ぎないようにしています(ってすでに多いけど)。

めんつゆは醤油、みりん、昆布だし、あればしいたけのだしも足してもいいですね。かつおだしに慣れてた頃は昆布だしだけだとあっさりしすぎじゃないかなあ、と思ってたんですが人間慣れるもので、今では昆布だしだけで全然おいしいですが、菜食してから、他にもしいたけとか、切り干し大根の戻し汁とか、野菜などから取れるいろんな方向のだしがあるもんだと気づいて面白いなあと思ったりします。

 

おまけ

以前、ムラタハリコさんの展覧会に行った時に箸置きを買ったんですが、これかわいいんです。箸は年季ものなので古ぼけてるけど。箸って買い替えどきが難しくないですか。使える限りは使いたおす方針なのでくたびれてます。

 

 

新企画 菜食晩酌日記 第一回


新企画で「菜食晩酌日記」を時々書こうかなーと思います。今回はその一回目。

菜食をしてると、どんなもの食べてるの?草?とよく聞かれますが、草ばっかり食べてるというわけでもなくボリューミーなものも食べてますし、全然シャレオツでもなければ難しくもなく、てきとーなものをおいしく食べてます。が、そういう「てきとー」な菜食晩ごはんを作りたいんだけどよくわからんなー、という人もいるかと思うんで、そういう方には少し参考になるんではと。最近菜食の人向けに増えてきた市販品も試したりするんで、その感想もあると誰かの参考になるかも(誰の?)。あと、酒飲みなんで酒飲み用メニューが多いかもしんない。それと、仕事の合間に作るんで基本時短料理です。

 

というわけで、この日のごはんはこんな感じでした。いきなり一回目から手抜きご飯。どう手抜きかと言いますと。

胡麻豆腐の盛り方(ななめ)にすでにテキトーさが表れてますが。あと、この世にはごはんはここ、汁物はここ、みたいな配膳マナーがありますけど、うちの場合「テーブルに乗るものの量によって置ける余白に置く」という居酒屋風マイルールですんで悪しからず。

 

がんもどきは業務スーパーの冷凍品で、キャベツと一緒に昆布だし(粉末)、醤油、みりんで煮ただけです。胡麻豆腐は市販品。ピーマンの肉詰め風にみえるものは、くらこんさんから出てるGood for vegansという製品が近所のスーパーにあったんで

それの「ふわふわつくね」という種類を

www.kurakon.jpを買って、いきなりアレンジしました(最初はそのまま作ってみるほうがいいと思うんですが、ピーマンがあったんで詰めたくなった)。で、あとは長芋と自分ち栽培のかいわれ(いつもある)ときゅうりを酢味噌とすりごまで和えたもの。30分で晩ごはんです。

 

ポイント

・市販の胡麻豆腐、がんもどきは菜食の人が食べられるものが多いです(でもたまに何か魚だしとか動物性の原料が入ってるものもあるんでラベルチェックしてね)

・酢味噌にすりごまを合わせると無限にうまい

 

感想

くらこんの「ふわふわつくね」は具材(お麩と昆布とか大豆ミート的な粉で構成されてました)と豆腐と炒めたみじん切り玉ねぎを混ぜて焼いて付属のタレをかける感じなんですが、ふわふわした豆腐ハンバーグっぽくておいしかったです。タレは若干醤油とみりんとカタクリ入れてかさ増ししました、だってなんとなく少ない感じがしたんだもん。


写真だと若干崩れてますけど、けっこうしっかりしてて「崩れちゃって整形しにくいんだけど」という感じはないです、これはわたしがフライ返しの使い方が下手だっただけなのです💦いやー、でも昔はこういう菜食用の市販加工食品ってあまりなかったですが、最近急に増えましたね。なかった頃は何使ってたかというと、厚揚げ、豆腐、油揚げ、高野豆腐なんかを使えば別に問題なかったんですが、せっかくそういう製品が出たんで物珍しくて試してみる今日このごろです。楽し。

 

こんな感じのものを作って、ビール飲んでスタートレック見ながら夕飯タイムしてます。スタートレックは突っ込みどころが多くて絶え間なく突っ込みながら見ています。まず船長自らいきなり惑星探査とか行っちゃダメ。

 

ではまた。

いぬのきもち7月号のイラスト

またうっかり間が空いてしまいましたが、とりあえずひとつ仕事を紹介です。

雑誌「いぬのきもち」7月号の特集「決定版 夏のニオイ対策」というページのイラストを描きました。部屋の俯瞰図を描いたりしてるんですが、前にも言いましたがこういう絵結構描くの好きです!

紙面をそのままあまり貼ると著作権の問題もありますので、ここからはイラストだけを少し紹介。

夏はもろもろ匂いが気になる季節、人間だけでなく犬ちゃんたちも不快な匂いがあるところは嫌だと思いますので、人間が気をつけてあげたいですね。こちらの特集では、犬ちゃんの安全を考えて、重曹など適切に使えば影響が残らなかったりするものを使ったり、掃除などで匂いを取っていく方法が紹介されているので、犬ちゃんと暮らしてる方には参考になると思います。また、他のページでは救急症状についての特集もあったりして読み応えがあります。

 

さて、すっかり梅雨になっちゃいましたね。というか、5月もすでに梅雨みたいでしたので、なんだかちょっと損した気分。仕事してる手が汗ばんだり、机に置いた冷たい飲み物のコップが結露したり、はたまた低気圧で頭痛がしたりで仕事にやや支障が出てくる季節です。とか言ってないでばりばり仕事しますよ、ばりばり(自分を鼓舞)。

眠れる森はどこだ

(↑以前個展の時に描いた絵の使い回し。ある歌の歌詞に、悩みは海に薄めた毒薬のように、薄らいでもなくなったわけではない、というような言葉がありましてそのイメージでした。)

 

わたしは自由業を始めてこっち、もう20年来寝つきが悪いです。だいたい寝つきが悪くなる原因は分かっていて、まず夜更かしして寝る直前まで仕事をしてるのが悪いのです。悪いのですが、そりゃもう長年の習慣で治りません。そしてあともう一つ悪いのが、ベッドに入って目を瞑ると、この世のあらゆる心配ごとや悩み事をほじくり出して考えてしまう癖があるからです。心療内科などに実際かかられている方や子育て中などの各種事情で睡眠時間が細切れになっているような深刻な困難を持った方々に比べると大した悩みではないと思うので(とはいえ、もしかしたらわたしも睡眠リズム障害は真剣に治したほうがいいのかもしれませんが...自分的にはそれを治そうとするのがストレスすぎるので最近は諦めました。仕事に支障があるわけではなく、自分のペースでまあ困らずやれてるので...人生自分なりに最終的に帳尻が合えばいいのさ!てなもんです)、こうして愚痴るのも恐縮なのですが、ほっとくと2時間も3時間も眠れなくなったりするので自分的にはやっぱりちょっと困ったものです。紡錘の毒は100年の眠りをもたらしましたが、不安の毒は眠りの森から我を遠ざける一方、ああどうにかならんのか。

不安というのは考えだすと指数関数的に膨れ上がっていくものですが、今別にそれについて考えたって何も解決するわけではないので全く不毛だとは自分でも分かっているのですが、じゃあいつ考えればいい感じに解決するのかというと、まあ昼間やれる事はやれば解消されますが、いつ考えたとしても解決しない事も多々ありますね。

社会情勢、気候変動やら災害やら戦争やらのスケールの大きすぎる問題から、仕事の悩み(絵を描くのは苦になりませんが、主に量的な問題で、多い時は間に合うのかとかなんか仕事忘れてないかとかひやひやしっぱなしですし、少ない時にも焦燥感がありますし、やっかいなもんですね)、老後が心配、お金の悩み、健康の悩み、人間関係、はたまたあれあの請求書出したっけ、メールの返事書いてなかった!10年前にやらかした失敗をくよくよと思い出す、そういえば冷蔵庫の奥の豆腐の賞味期限いつだっけ、とか、しまいにゃ本当にくだらない事まで気になってきて、そのくせ、じゃあ今ベッドから起きだしてなんとかしよう、というわけでもない。そのような時間を過ごすぐらいなら、はよ寝て明日起きてから対処すればいいじゃない、寝たほうがいいに決まってます。なのに、自分でじゃあ次はこれ、次のお題はこれ、みたいな感じで引っ張り出してきてるんですね。わかっちゃいるがやめられない。

眠れないと思うと余計どんどん眠れなくなるわけで、こりゃいかん、と解決する方法をあれこれ試したりしています。深呼吸して力を抜くとか、何も考えないようにするとか(できるわけない)、いろいろネットにも情報がありますが、少し効くかなと思ってたまにやるのが「認知シャッフル睡眠法」です。

ご存知の方も多いかと思うんですが一応これはどういうものか説明しますと、まずなんでもいいので単語を思い浮かべます。その単語の1文字1文字から、別のテキトーな単語を思い浮かべて、そのものを具体的にイメージするようにするのだそうです(絵では英語で書いてますが日本語の単語でもいいそうです)。こうすると詳しいことはよくわからんのですが脳みそが疲れて眠れるようになるという話なのですが、こんな複雑な事してたら却って目が冴えそうな気もすると思いつつ、確かにこういう事をしてると「悩み」が棚上げになるので効果が若干ある気がします。でも、これをやっても眠れない時もあるんですねー。まあ、悩みは無意識の海に薄めて流してしまうしかないのでしょうね。

 

しかし、最近、もっと単純に眠れる方法がありまして、イヤホンで静か目の好きな音楽のプレイリストを作って聴いてるとリラックスできて以前よりマシになった気がします。音楽が何より好きなので、早くこれに気づけばよかったです。いや、今までも寝る時に音楽かけてたんですが、イヤホンで聴くのがコツだったんですね、集中度が違います。

(ちなみに、ひものついてないイヤホンが欲しいところですが、それを使うと「寝てる間にイヤホンを飲み込んじゃったらどうしよう」という新たな悩みが発生しそうなのでひもつきのイヤホンで聴いています)

 

とは言っても、30曲ぐらいのプレイリストを作って20曲目ぐらいに寝付ける感じではあるんですが(あれ、よく考えたら別に何も改善されてない...?!)。このプレイリスト、ただ静か目なものを入れてるのもなんなので、若干エモい感じの曲とまったりした感じの曲を混ぜたりするといい感じです。と言いつつ、好きな曲すぎて聴き入っちゃって眠れなかったり、プレイリストを作るためにさらに夜更かしして睡眠時間が削られてるのではないかという感じもあるんですが。そして、やっと寝付いたと思うと、夢の中で冒頭で述べたようなあらゆる悩みを詰め込んだような事態が繰り広げられてうなされるという事も多々なので、睡眠というのは本当にやっかいなものですねえ、ふう。ままならなさに屈服するばかり、まあこれが通常運転と諦めておりますが。たぶん、本当は昼間にジョギングするとか、肉体を疲れさせればもっといいのでしょうけど、できもしない事を夢見るのは夢の中だけにしておきましょう。はてさて。

 

 

仕事の紹介です

また仕事紹介が滞ってました。いろいろやってるんですが、最近足が長い仕事が多くてなかなか成果物が出てこないまま、ぼやっとしてると過ぎ行く日々です。以下敬称略でお届けいたします。

 

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新潮文庫の『「話が通じない」の正体 共感障害という謎』(黒川伊保子著)の装画を描きました。 話が通じない時、どちらかが悪いのでなく、お互いの認識のフレームがずれている、そういうコミュニケーションにおけるギャップを解きほぐすヒントが書かれた本です。黒川さんもご自身で共感障害に思い当たる節があり、自分を省みながらのお話はわかりやすいです。読みながらわたしも当てはまるかも...と思ったり。

 

2月の話ですが、雑誌「中央公論風物詩、新書大賞の特集で記事内の扉とカットのイラストを今年も描きました。面白そうな本がいっぱいです。

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日経新聞をはじめ、各種連載の仕事も継続でやっております。

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日経新聞「元気の処方箋」では、執筆の専門家の方が交代で担当しているので、メンタルヘルス、眼科や歯科など医療情報、運動などの健康維持とテーマが多岐に渡っていまして、描いてるわたしも為になりふむふむと読みつつ仕事をしています。

コンポスターは真実の魔法使い その3 変わり種コンポストあれこれ

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さて、まだ書く事あるのかよ。って感じですが、まだちょっぴり続くんじゃよ。今回はコンポストにまつわるスピンオフというか、よもやま話です。

 

●偶然のコンポスト コガネムシ

植木鉢で植物を育ててると、あんなに元気だったのに、あるとき急にめちゃくちゃ弱って枯れちゃった。という事があります。そういう場合、鉢から根を抜いてみるとスッカスカ、そして鉢の中にはコガネムシのお子さんたちがわんさか。という有様だったりします。困ったもんです。

で、普通、園芸書などではよく「コガネムシハナムグリの幼虫は似ている※1(成虫はそれなりに見分けがつきます)が、コガネムシの幼虫は根を食べる害虫であり、ハナムグリの幼虫は腐食などを食べる益虫である。

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よってコガネムシの幼虫はサーチアンドデストロイがよろし」と書いてあるんですが、「えー、なんか、殺すのもな...」という腰が引けた人間のわたしとしては悩ましい問題で、つまりは多少予防はする(後述)けど、出ちゃった場合なんとなくやられるがままレッセフェール方針だったんですが、ふと「根を食べるという事は、ふだんコンポストに入れるとけっこうかさばって悩ましい豆苗リボベジの2回目後の根とか食べてもらったらいいんじゃない?」と気づきまして、今度出たら試してみようっと、と思い立ちました。

で、ある時、彼らが紫陽花の鉢にいらっしゃったので試しに別の鉢に土を入れてそちらに移っていただいて、豆苗の根とか、雑草抜いたのとかをぽいぽい上に乗っけてたんですね。そしたら、あーら、すっかり食べてくれるじゃないですか。気を良くして豆苗を買うたびに終わったら根を与えておりました。ついでに台所の片隅でしなしなになってた里芋を「根が生えたらまあ君らにあげますよ」ぐらいのつもりで埋めといたら、そのうち忘れた頃に里芋が育ちまして。

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冬になって掘ってみると、彼らは旅立っちゃったみたいでもう全然いなくて、小さな里芋たちと、すんごくいい感じのふっかふかの土が残されたのであった(いや、実際コガネムシが食べた後の土、すごいいい感じの状態なんですよ)。

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ので、まあ、コガネムシが出たら「豆苗の根処理用コンポスト」を試してみるのも一興ではないでしょうか。(ただし注意ですが、巣立ったコガネ氏たちがすぐ近場の鉢でまた繁殖されると困るんで、この鉢は他の鉢と隔離した裏のベランダでやってました)

 

ところでさっきの「カナブンなどと違ってコガネムシは腐食は食べず生きた根しか食べない」いう話。調べてみると、やっぱり幼齢幼虫は腐食なども食べてるそうです。なので腐食=コンポストを入れた土にはよく来るんですね。アメリカミズアブさんみたいに未分解の生ごみをなんでも食べてくれるってわけにはいかないみたいですけど。

 

はて、そうは言ってもやっぱりふだん植物を育てる時は、手加減知らずのコガネ氏に根っこを食い尽くされてほしくないってのもありますね。その場合、鉢の表面の土をなんかで覆っとくのが吉です(しかし前出のように腐葉土とか腐食で覆うのは悪手です)。

わたしの対策は、あんまり参考にならないかもしれませんが、割れた植木鉢(これも長年ベランダ園芸をやってると豊富にあって処理に困りがち)を敷き詰めてマルチングしています。こうするとコガネ氏が卵を産みにくるのは多少防げるかなと。逆にダンゴムシちゃん(彼らも根は食べます)なんかにはいい住処になりそうな気がしなくもないけど、ダンゴムシのせいで植物が枯れた、というような甚大被害にはあったことないのでよしとしてます。

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あと、これは完全に気のせいかもしれないんですが、実感として、表土に多肉植物を覆わせて同居させてる鉢ってコガネムシが来にくい気がするんですよね。

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これだとちょっと足りないけど、コンセプトとしてこういう感じの状態。

 

と思ってネットで調べたら、そう主張してる方が他にもちらほらいたんで、もしかしたらやっぱりいいのかも。たぶん。きっと。そうね。

しかもこれ、栽培状態のものじゃなくてもいいというか、多肉ってぽろぽろ葉が落ちたりするじゃないですか。その葉を集めて敷いておくだけでも効果がある気がするんですよね(これは完全にわたしの経験則なんでエビデンスはないです、試して「そんな事なかったぞ」と言われても責任取りかねますのであしからずすみません)。

 

まあ、でも、思うんですよね。コガネ氏や前回のコバエさんやアメリカミズアブさんも、ダンゴムシちゃんなども、そしてもっとミクロなところでは菌たち、そういう分解者の方々がいるおかげで地球上の有機物が無機物に帰って地球上が「いやーな感じのごみで無限永遠に埋め尽くされる」みたいな事が起こらず済んでるわけですし、無機物のミネラルなんかを菌根菌が植物に渡して有機物にまた循環し、わたしたちも生きてけるんですから、ありがたいものです。人間の都合で利用したり邪魔にしたり勝手なものだと思いますが、わたしたちも快適に生きたいですからどうしても人間世界目線で付き合うと邪魔者扱いしてしまう事になるシーンは多々あります。ありますが、なるべく虫ちゃんたちなど人間以外の世界から見てもいい感じで共存できるにはどうしたらいいもんか、もっと知恵を絞れたらいいのではないかなあと思います。

 

●猫草緑肥ー可能性無限大えん麦

猫ちゃんと暮らしてると、猫草を種蒔いて栽培などして猫ちゃんのサラダバイキングにするわけなんですが、猫ちゃんというのは新鮮な猫草が好きなもんで、自分が食べ散らかして枯れてきた猫草にはもう見向きもしないわけですよ。

そういう感じで滅びた猫草と元気な猫草をローテーションして栽培してるんですが、その滅びた方、引っこ抜いて捨ててませんか。しかし猫草というのは正式名称えん麦でありまして、緑肥植物として使えるそうです。ですので、わたしは滅びた猫草はちょっと乾かしてハサミで細かく切って、キエーロ的に使ってるプランターの土の中に混ぜ込んでしまいます。土壌微生物も増えるらしいですし、一石二鳥です。

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下の滅びた感じの猫草を、上のように混ぜ込みます。しばらくすると分解されちゃう。

 

しかも、えん麦って、あの低環境負荷と高タンパクで最近噂の小粋なあいつ、オートミールらしいですね(細かく言うと品種とかあると思いますけど)。うちは猫ちゃんが食べて滅びるばかりですので実がなる段階まで育てた事がないんですが、いわゆる雑草的な感じでほとんど何もしないで育つし、人間目線でいうとなんて優秀な植物なのでしょうか。もっと活用した方がいいのかもしれない、人類。

 

●根本的なことですが...

コンポストは確かに便利ソリューションなのですが、それでも回転運用のキャパもあるのでやっぱり生ごみ自体を減らす、というのも大事かなあと思います。

我が家の場合、根付き野菜はリボベジしてみたり、クズ野菜と称される状態のものは、たいてい小さく刻んでスープとかに入れちゃったり、煮てからハンドミキサーでガーしてポタージュにというパターンもあり、にんじんとか食べられる皮のものは皮をむかず(というのは、無農薬のものを買った場合はもちろんOKですが、そうでない場合も、ごぼう以外の根菜って出荷前に泥を落とすためすでにかなり洗浄されてるかなというのと、農薬を使用するとしたら根は直接かかるというより浸透移行性のものではないかと思うんで、その場合皮だけ剥いても無駄な抵抗なんではないかと思うのと)、可食部は無理のない範囲でなるべく食べます。ただ、農薬は使用基準があるので安全だ、という向きもあり、それも一理あるのかもしれないんですが、実際自分が土に返してまたその土で栽培して...というのをやってみると、まあ、使ってるよりは使ってない方がいいかなあ、という気持ちはしますね。実際自分が栽培するものには農薬使いませんし。ただ、わたしもそんな裕福じゃないんで、いつも無農薬栽培の野菜とかばっかり買えないというのも本音です。

話がちょっと脱線しましたが、ごみ減量の続きに戻りまして。我が家は食いしん坊ぞろいで食べ残しが一切出ないんで、調理済食品のごみが出ないのはコンポスト的には有利かも。塩分とか汁物っぽい生ごみがあるとまた腐敗の問題とかがちょっとややこしくなりそうです。

それでもやっぱりごみはでるもんで、多いのは果物の皮、玉ねぎの皮、かぼちゃのわたや種(これも工夫すれば食べられるようなんですが、さすがに種を洗って炒って...とかそういうていねいな暮らし的な時間はなかなか取れませんねというかごめん、正直めんどくさい)、コーヒーやお茶の出がらしが多いです。

あとのごみは、恥ずかしながら、やっぱり冷蔵庫の片隅で忘れ去られてすでに滅びてしまった(カビたとか)野菜とかもたまにあります。外出を控えた方がいいようなご時世が続く中、まとめ買いなどもしがちですが、自分のキャパオーバーの買い物もしないように気をつけないといけなかったり、いやはや、やっかいな世の中ですね。あ、ちなみにちょっとやそっとのカビなら、コンポストに入れても問題ないというのが実感です。入れるなってよく書いてありますけども、四六時中カビたものを入れるんではなくて、少量たまになら問題ないと思います。

 

そんなこんなで好事家の視点で3回、長大に書いてきました。ここまで忍耐強く読んでくださった方、ありがとうございます!が、社会的な話として、もっと根本的な大どんでん返しを最後に言ってしまいますが...

個人がコンポスト処理しなくとも、ある程度分別収集をして集めた先で行政がシステマチックにコンポストやってくれたり、販売側の企業のフードロスとかも企業さんでコンポストするのがもっと徹底されたり、もっと言えば生産過剰とか物流や分配時点での無駄を減らせるような、蛇口を閉める方向での最適化ができたら話が早いというか、世の中全体でもっと省資源化や温暖化ガス削減、ごみ問題の解決ができるんじゃないかなーとも思います。本当そのへん頼みますよ、偉い人!

 

以上、この文章誰に需要があるんだろ、と自分でも大変疑問です。まあ、知りたくて検索して辿り着いた物好きな誰か(という事を自分がよくやってるんで)の目に留まる事を願いつつ、ではこの辺で。

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ベランダ菜園は楽し。しかし次の大規模修繕が怖い。怖いんだったら。

 

※1 コガネムシハナムグリの幼虫の見分け方は、「土から出しておくとまっすぐ前に進むのがハナムグリ、ひっくり返ってもぞもぞ鈍いのはハナムグリ」(リンク先動画虫ちゃん注意)らしいです。まあそもそも「植物が弱ってきて存在に気づく」わけなんで、鉢にいるのは十中八九というか十、コガネ氏ですね。コガネ氏にもドウガネブイブイとか種類あるんですが、以前畑をやってた時に夕方すんごい音で畑に飛んできたのに遭遇して、なんで「ブイブイ」って名前なのか腑に落ちました。本当、暴走族並みにブイブイ爆音なんですよねー。

コンポスターは真実の魔法使い その2 バケツよバケツ...

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さて、前回は長々と各コンポスターの特性について書きましたが、今回もさらに長々書きますよ(アラート)。わたしがやってるのはその中でもちょっと微妙なバケツ型コンポスト(バケツ型コンポストとは、バケツ状の蓋付きの容器で下にコックがあって水抜きができる専用容器の事で、本物のバケツではありません※1)です。

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こういうのです(この黒い容器は2代目で、後ろにちょっと見えてる1代目はパッキンが壊れてダメになったんでキエーロにしてます)。上にあるのは投入時に入れる米ぬかです。

 

なぜバケツ型コンポストにしたのかといいますと、わたしがコンポストに興味を持った頃には、キエーロなる存在はまだなかったんですね。で、市外密集地の集合住宅に住む地面なし人間には、ダンボール型とバケツ型と電動型が現実的に選びうる選択肢だったのです。

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でも、電気を使うのはなんだかやっぱり腑に落ちぬというか、環境負荷の面では不利かなと(わたしの場合はです、状況によっては電気代をかけても有効活用によりメリットを得る場合もあるかもしれません)。

で、ダンボールですが、ダンボールなんてあーた、ベランダとかの吹きさらし環境でやったらあっちゅう間に箱自体が劣化しそうじゃないですか(すみません、使ってる方から異論が出そうですね、わたしのその当時の印象です、あくまで)。かといって室内にコンポスト置く場所はないし。

バケツ式なら密閉型で、万一やばい事態になってもその中で完結するから、被害は最小限かなと思ったわけです。

                                               

コンポスト初心者にとって一番不安なのは「やばい事態」。つまり破局的展開、わーもう手に負えん!に陥る事なのではないでしょうか。その場合を考えて一歩が踏み出せない人も多いかと思います。というか、どういう状態が「正しい状態なの?」と思う方も多いと思います。では、わたしの体験とともに、バケツ型コンポスト(以下コンポストと略)のステータスと、若干やばい場合の処世術などを説明していきます。

 

 

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◯バケツ型コンポストの基本的な運用方法

 

1.ベランダなどの外に容器を設置します。

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2.三角コーナーなどで水気を切っておいた生ごみをできれば小さめに切って投入します。

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3.上から米ぬかやバケツコンポスト用のぼかし※2を洗剤スプーン一杯ぐらい(生ごみ

量により適宜、全体にまぶすぐらい)かけます。

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4.蓋を閉めます。

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ーーーここまでが日々の運用ですーーーー

5.時々、下のコックから水抜きをします。

水分過多は破局へのプレリュードですんで、この作業は忘れずやるのが吉です。で、よくある説明で「この、下から出てきた水は良い液肥になります」とか書かれてますけど、正直利用するのがためらわれるほどには臭いです(解説などで、「消臭になるのでトイレに流す」とか書いてあるのも読んだ事あるんですが、一体どこの世界線の話なのかと思います。これ自体が臭いの元なのでは...?)ので、わたしの場合近所への悪臭問題になると困るのでベランダの排水口から水とともに流して捨てており※3、流した後さらに臭い消しにレモンのエッセンシャルオイルを播く事があります。

 

6.コンポストがいっぱいになったらそのまましばらく寝かせた後、土に埋め替えます(二次発酵)。これは集合住宅なので底の深いプランターにて行います。

土に埋める際はこういう塩梅です。

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土、コンポスト、石灰と米ぬか、土、というサンドイッチ構造にします。この作業は、まあちょっと匂いもありますしもしかしたらハードル高いと感じる人もいるかもしれませんが、1時間ぐらいで終わりますし終わったらアラすっきり、もう匂いません。匂いを封じるカギは一番下の層と一番上の層は土にして生ごみを封じる事です。作業後、コンポストを入れてたバケツは水洗いしてもよいですが、なんなら洗わなくともそれにも土を詰めとけば残渣も匂いも分解してくれるんで楽です。暖かい季節なら1ヶ月ぐらい、冬は3ヶ月ぐらいでよい堆肥を含んだ土になります。

これは半年に一回ぐらいのルーティンで、わたしは虫がいない晩秋と早春(11月と3月)ぐらいをめどにやってます。例えば「真夏にいっぱいになっちゃった」という場合、秋までバケツを密閉したまま時々水抜きだけして放置しておいて大丈夫です。このルーティンを行う為、バケツ容器を2個体制で回転運用します。

仕込んだ後は土が分解してくれるのを待つばかり(分解が進んできたらたまにスコップで切り返すとなおよし)。

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これはまだバナナの茎とか若干分解されてない(この状態ではもう匂いはない)。

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このぐらいだともうすっかり分解されてる。

 

 

 

◯必要なもの

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コンポスト用バケツ型容器(2個)

・米ぬか、あるいは生ごみ処理用ぼかし

・三角コーナー

・スコップ

・石灰

コンポスト二次発酵用の鉢と底用網

コンポストを埋める用とバケツを満たすぐらいの土

あるとよいもの

・レモンのエッセンシャルオイル

 

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さて、懸案事項ですが。

 

●腐敗について

ごみを投入し続けると、白カビが出るのはコンポスト的には正常状態です。青カビが出た時は、まああまりよろしくない状態ですが、その場合米ぬかや土を投入してコンポスト内の水分を抑えつつ、分解を促進させます。

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コンポストは蓋をあけると匂いがあるのが正常状態ですが、その匂いは発酵臭というか、生ごみの腐ったのとは違う「まあ許せる匂い」です。許せない匂いを感じたら、それはやばい状態へのサインですので、乾いた土をかけときましょう。

コンポスト内状態を良好に保つコツ、それは「水分を制する者はコンポストを制す」です。水分が多いのは不幸の元です(少なすぎると発酵が進まないというのはありますが)。ある程度ごみの水気を切ったほうがよく、わたしの場合、1日のごみを「水のかからない場所で」三角コーナーなどに入れ、一晩乾かし気味に管理したものを次の日(少ない時は何日か分)コンポストに投入します。

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それと、ここで皆さんの参考にあまりならないチート情報(?)になるかもしれないのですが、わたしの場合菜食なんで「動物性のごみが全然ない」というのも腐ったりやばくなったりしにくい要因なのかもしれません。野菜くずや果物の皮って、水気がなければほっといてもしなしなになるとかそんなもんです。

また、発酵か腐敗かは人間にとって有用かどうかで分かつというお話もありますね。バケツの下の層は最後に取り出す時、結構分解してぐだぐだになってる事もあるんで、それは腐敗と言えるのかもしれないんですが、そうなってるほうが土に埋めた時早く土に還るとも言えますんで、腐敗は恐るるに足らずだと思います。よくバケツコンポストの説明をネットなどで読んでると「◯◯の状態になった場合失敗ですので捨てましょう」とか書いてあったりしますが、え、そんな破滅状態のバケツをどうやって...まさかバケツごと?つか、そう簡単に捨てられるかっつーの。とわたしなんぞは思ったりするわけで、とりあえずそういう場合は水分の少ない土をかけときゃなんとかなります。

 

●むしむし虫ちゃん、カタストロフ?

まあ、ですが、そうは言っても、夏場などにコンポストをやってると、やはり虫の問題は出てきますね。それを避けるには「とにかく開閉時間をすばやく」という事です。その為には生ごみはあらかじめ三角コーナーに入れる際に包丁で細かく切っとくなどの下ごしらえが成功のカギです。しかし、わたしは横着してバケツに入れた時にハサミでちょきちょきやったりするんで、そういう事をのんべんだらりとしてると、ときどき、目ざとい虫ちゃんたちがやってきちゃうわけですよ。来ないで済む時もあります。そういう時も多いです。ただ、来た時に「こんなはずじゃなかった!だまされた!ひぃー!」となると思いますんで、その辺も包み隠さずお伝えしていきます。

 

えーと、というわけで、ここからは虫ちゃんが苦手な方には引き返していただいたほうがいいような核心に迫るんですが(アラート)。コンポストにいらっしゃるお客さんは主に3種類でして(安心してください図解はないです)、

 

1. コバエとそのお子さん

コバエ自体も苦手な方もいると思うんですが、わたし的には、まあちっちゃいやつがぷあーと蓋を開けたらちょっと出てくる程度ならそんなでもないです。問題は、彼らがコンポスト内で卵を産みまして、まあ、お子さん(いわゆるU・J・Iと呼ばれる方々です)が繁殖したり、さなぎになったりする事がありますね。これは結構見た目は...。ただ、彼らも分解を助けてくれるんで、すごい嫌じゃなければ同居しといても、季節が移ろい、北風が吹く頃にはすっかり跡形もなく去っている事でしょう。それと、コバエが増えると、わがベランダではハエトリグモちゃんも増えるんですよ。そして蓋を開けた時にぷわーと脱出しちゃったコバエ問題を解決してくれてるようで、外にコバエ成虫が増えちゃった!とかないのですねー。さすがハエトリグモという名前だけありますね。心強いです。なので、もう大変!みたいな事にはならないです。

 

2. Gさん

Gさんはわたしも大変苦手でして、できれば(というか可能な限り)同居したくない。ですが、奴らは他の飛来系の侵入者ハエ氏やアブ氏に比べればまあまあ体がでかいし徒歩でご来訪の可能性が高いので、見張ってれば存在を検知して侵入を防げる気がします。

あと、彼らが苦手らしい匂い、レモンのエッセンシャルオイルなどを定期的に水で薄めてコンポスト周辺に撒いとくと吉かもしれません(注:レモンエッセンシャルオイルは猫にも有害です。だいたいGさんが苦手なもの、ハッカ油とかラベンダーとかそういうものは全体に猫にも毒です。Gさんの一種なのか猫よ...。というわけで、猫と同居してる方は、猫がいる時や場所には撒かないでくださいまし)

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猫に毒なものは日常にいっぱいある。危険危険。

 

わたしが8年やってて、Gさんとコンポスト内で同居した事はありません。運がいいだけかもしれませんけど。Gさんは水気のあるところと、人間がくさいと感じる匂いがするところが好きですんで、コンポストの密閉を保ち、周囲をじめじめさせなければまあ大丈夫ではないかと思います。

 

3. アメリカミズアブのお子さん御一行さま

アメリカミズアブとはなんぞや。と思ったあなた、うかつに検索する前に心の準備をしてください。お子さんの写真が出てくると思いますが、これがまあ結構一般受けしないルックスです。なんでしょうねー、人間、「顔」がわからん生き物っていうのはなんだか恐怖が増すんでしょうか。しかも!彼らがコンポストにご滞在になられる際には、団体様御一行なんですよ。わたしも初めて遭遇した時には卒倒するかと思いました。

しかし、調べてみると、彼らの分解能力は優れていて、コンポスト的には役に立ってくれてる、というのもあります。別に素早く動いてこっちに襲いかかるわけでもなし、中でなにやらごにょごにょご飯を食べてはせっせと分解してくれてるだけな健気な方々です。(ただ、彼らがいるとコンポストから独特なちょっと不快な匂いがします。腐ってるのとは違うんですけど、なんかヤ!って感じです)。

ちなみに、彼らの旺盛な分解能力とカロリー還元効率から、むしろ最近は益虫として様々利用が検討されてるぐらいらしいです。まあ、わたしとしては、偶然同居した際には役立ってくれるならいいかな、ぐらいで、虫ちゃんを人工的に増やしてなんかしてこーしてあーしてさらには商業的に大規模に...、みたいなのは、虫ちゃんの幸福的にどうなのかなあ...とか、はたまたタンパクどーのこーの的目的で食利用とかになると特に「えっ?昆虫食べるの?豆があるのに?豆でよくない?怖いし」※4とか、いろいろ考えなくもないんで、どうかと問われれば賛成じゃないですが。

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まめまめファンクラブ。豆かわいい。豆おいしい。豆栄養豊富。

なお、成虫には口がなく摂食しない為、ハエのように食品などに病原菌を媒介したりする危険もないらしいですし、彼らの寿命は我々人間に比べたらはかないもんです。つか、成虫はほとんど見かけないです。

そういうわけで、自分の忍耐力ステージを上げ、共存する覚悟を決めたらまあなんとかなります。それを「なんとかなってる」と感じるか、破局と感じるかによって事態は全然違うと思いますけど。レッツポジティブシンキング!(...ごめん、万人向けじゃないのは感じてます)

なお、わたしの場合、8年間で3回出ました。気をつけてるつもりでも、どうも知らないうちに飛んできて卵産んじゃってるらしく、気付いたらコンポスター内が後の祭りだ祭状態なんで、防ぎようがないんですよね。なのでしぶしぶ共存して、秋に土に埋める際にさなぎなんだか幼虫なんだかよくわからん状態の彼らを、いつもどおり一緒に土に埋めます(ほんらい土の中で蛹になるらしいので)。そうすると、コンポストが土にすっかり還った頃には、彼らも成人して飛んでったか、滅びたのか、とにかくまあいなくなっちゃいますね。抜け殻を残してる場合もある(そしてそれの見た目も怖い)んですが、ま、いつかは分解されるんで。

 

トータルすると、虫ちゃんご来訪については、予防策を講じつつ、「汝の隣人を愛せよとまでは言わずとも、普通に隣人として付き合う」って感じでしょうか。まあ、人間が「虫怖い!」と思ういっぽう、現実的に言えば虫たちやありとあらゆる生物にとって一番脅威になってるのは人間だという見方もできます※5し、超大量発生とかされると流石にどうにかしないといけないかもしれないですが、本来なら地球の摂理では歓迎すべき分解者ともいえますし、多少なら人間にはもっと虫に目くじら立てない心が求められているのかもしれないですね(って、自分だって恐怖を克服できてるとは言い難いですが)。

ええ、たぶんここまでで「わたしは絶対バケツコンポストはやらない!」と思われた方、いると思います。さもありなんです。わたしもちょっと、マニアックな事やってんなー、って自覚もありますね。

それか、いっそのこと「真夏はコンポストはお休みする」という方針を採用すれば、虫ちゃん遭遇リスクはぐっと下がる気もしますが、夏場こそ台所に生ごみがあるのもアレなんでちょっと本末転倒というか。

 

若干アレな話題が続いたんでここでコンポストのおかげですくすく育つベランダの花や野菜などの写真でも。

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野菜かわいい。

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窓の外すぐに今晩のサラダが。ほほほ。

 

とまあ、ここまで、バケツ型コンポストの(やや悪口も多い)解説を行ったんですが、でも、省スペースで安定して処理できるんで市街地型生活向きですし、できた堆肥は良質で植物はよく育つし、本当、最後は全てが安寧な土に戻るさまがすがすがしいんですよ。日々の作業は「バケツを開けてごみ捨てて閉めるだけ」なんで、なんも難しくもないですし、わたし的には楽しいです。臭わないので周囲にも全然迷惑はかけませんし、上記の虫ちゃん問題も、あくまでコンポスト内での悲喜こもごもであって、決してうちの中とかご近所とかには進出しないです。

 

ですが、以前畑を借りてた時に、野菜の残渣を畑の隅っこに埋めといたら、すんごい規模で土に還るのを見て感動というか、人間がバケツだのなんだの愚策を弄するのをあざ笑うかのようにただ!埋めるだけ!で、土は易々と全てを飲み込むのを目の当たりにしました。そうなると、バケツとかまどろっこしいんじゃね?と思ったりしたんですが、そこにキエーロですよ。いいですねキエーロ。置く場所があったらやってみたいです。というか、最近はプランターでちょっとキエーロっぽく運用するのも並行しています。ただ、やっぱりこれだけだと処理量とスピードが追っつかない。特に冬場は分解が遅いですしね。やっぱり土の多さがカギですね。しかしキエーロを置く場所もないんじゃよ。なんで、やっぱり当面はバケツ型のお世話になりそうです。

 

 

 

※1

本物のバケツでやるのは、密閉度とか水分管理とかちょっと難易度高いのではないでしょうか

※2

EM菌を利用したぼかしなどよく売られていますね。EM菌については似非科学的な利用法が流布してるなどの問題もあるようで、わたしも別に肯定派とかじゃないんですが(つかよく知らん)、生ごみコンポストにだけ関して言えば、普通に使えます。が、別に米ぬかだけでも問題ないですし、落葉樹の枯葉や、納豆の残り(残る?全部食べちゃうけど?残しとくというか?)、あれば籾殻くん炭なんかも少し入れると有用菌が増えて吉です。

※3

これはBOD(生物化学的酸素要求量=水中に含まれる有機物が微生物分解される際に消費される溶存酸素量)が高いような気がするんで(ごく少量なんで気にしなくてもいいかもしれませんが)原則的にはあんまり環境にはよくないかも。できる状況ならやっぱり液肥にした方がいいかもしれません。

※4

昆虫食とプラントベース食のカロリー効率比較の資料は見つからなかったんですが(一般的な食選択と環境インパクトのデータ考察結果はOur world in dataにありますが)、昆虫食は結局家畜システムなんで飼料問題の観点では動物に比べると飼料効率がよいとは言っても飼料は同じくコーンや大豆由来が主らしいので土地使用が人間食料と競合というか、その土地で家畜迂回のない人間用の大豆など穀物栽培をした方が最もカロリー効率は高いんじゃないかと推測しますが、どうなんでしょ。

※5

こことか、こことか、こことか、こことか見ると、枚挙に暇がなくああもう本当ごめんって感じです。

 

 

コンポスターは真実の魔法使い その1 メンバー紹介

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というタイトルはトッドラングレンのアルバムタイトルのもじりですが(特に関連はないですわたしがトッドを好きなだけです💦)、なぜか唐突にコンポストに対する愛を書き綴ってみようと思います。

 

最近はコンポスターを導入している方も多いのではないでしょうか。わたしもコンポスター愛好家八年目です。お読みの方にはコンポストとはなんぞや、という方もいるかと思いますので、軽く説明をしますと、要するに生ごみを分解して土に返す仕組みです。とはいえ、難しい事も手間もさしてなく、基本的には日々やる事は「コンポスターに水気を切った生ゴミを投入するだけ」というシステムです。コンポストを作るための容器や装置がコンポスターです。

 

これを導入しますと、生ごみとして家庭内に存在するものが減るというかなくなりますのでじめじめした季節もキッチンにはいやーな生ごみがなくなり超快適サワヤカ、ごみ工場での焼却量も減るので燃料・輸送・処理場CO2負荷も減りますし、堆肥として資源が循環できるので園芸などする人は肥沃な土で植物を栽培すれば植物によるCO2保持あるいは土壌内保留効果もありかつ化学肥料削減で土壌の流出窒素汚染も削減できるかもしれないですし、ついでに家庭菜園なら食料も生産できたり、残り物がでないのでフードロス削減的にも吉、というまあまあ四方八方winwinなシステムです※1。しかもお金もほとんどかからない。

 

と、理屈はこんな感じですが、もうちょっと情緒的に語りますと、ごみが土に還る、というプロセスを実感するのは楽しいです。全ては消えゆき、土は黒々と肥える。そしてそこからまた新しい芽吹きがはじまる。こういう塩梅でまわってるのね、世界。という納得感というか不思議な安らぎがあります(なんか怪しい勧誘みたいな事言ってる気がしなくもない。まあ、めくるめくコンポストの世界にお誘いしていなくもないんで、当たっていないと言えなくもない)。また、園芸愛好家には土の質を高め循環利用できる(ベランダ人には特に切実)という意味でもポイント高いです。

 

まあ、しかしですね。そんな事して何になるの、めんどくさい、やだー、という方ももちろんおられると思いますが、以下「愛好家による、興味ある方や愛好家のための」視点で話を突き進めます、あしからず。

 

さて、やり方としてはいくつかあって、

 

1.なんのことはない、土に埋める

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広い庭や畑がある人には最高に楽チンなソリューションです。たいていの生ごみは土に埋めときゃ土に帰ります、いつかは。土に埋まってる限りは匂いません。ただ、同じ場所に連続投入すると量によっては分解スピードが追いつかないので、ある程度埋めたらそこは分解するまで寝かせて別の場所に...というような運用になると思うんですが、するってえと複数の穴を用意するとか、地面面積がある程度ないと困りますね。埋めきれないでごみが地面に露出してしまうとトラブル発生の予感です。

 

2.キエーロ

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これは新進気鋭のシステムで、とはいっても要は1の「土に埋める」を大きな箱の中で行うものです。投入量は箱の中で区画を決めて調整して、だいたい1週間ぐらいでまわるようなので楽チンそうです。この土は基本的に入れ替えの必要がなく、メンテナンスは箱が壊れてないかとか点検するぐらいだと思いますので、室外に「土が入った大きな箱」が設置できる環境がある人には一押しシステム。専用の箱の導入コストがありますが、工夫で自分の持ってる他の箱的なもの(いらなくなった衣装ケースとか)でも運用できそうです。堆肥はいらないんだけど、という方にも、土の容量が増えないので吉です(もちろん堆肥利用したい方はその土は堆肥として使えます、その場合新しく土を箱に足すとよいでしょう)。わたしも一部、プランターを利用して近い運用をしています。匂いは、ちゃんと埋めれば匂わないです。箱の中なんで、日々すごーく生ゴミが多い、みたいな方だと処理量的に回転がうまくいくのかはチトわかりませんが。

 

3.ダンボーコンポスト

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これはキエーロの箱を小規模にしてダンボールで運用するという感じに近いですが、処理できる量がキエーロに比べ少ないので、菌による分解を早く促進するためにこまめに攪拌したりして好気性発酵を促します。メンテナンス的には日々の攪拌の手間と、ダンボール自体もいつか分解されるので定期的な交換が必要ではないかと思われます。基本的には匂いはしない方かと思われますので、室内愛好家が多い印象です。こちらも処理量は箱の大きさによるのではないでしょうか。

 

4.設置型コンポスト

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筒型の蓋つきの大きな容器を地面に設置して、生ごみを上から積んで発酵させて堆肥化させ、土に還していくという方法です。さっき書きましたが1や2のように土にそのまま埋める場合は埋める穴をいくつか作って投入分を調整しないと投入量が分解のスピードに追いつかない場合もありますが、設置型の場合は上にどんどん積めるので大量に処理できます。日々はごみをぽいっと入れるだけですが、コンポスターがいっぱいになって堆肥化が終わったら中のものを出したりする作業が必要です。でっかいコンポスターの設置場所と、できた堆肥を地面に撒けるような庭や畑をある程度確保できる方向けですね。いちおうコンポストは密閉されてるので匂いはしないと思いますが、中で大量の生ごみなどが嫌気性発酵してると思うんで、近づけばあるかも(すみません、わたし庭がなくてやった事ないもので、想像です)。

 

5.バケツ型コンポスト

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バケツ型のコンポスター(本物のバケツではなく)内で密閉してある程度嫌気性発酵を行って分解しやすくしてから土に埋めるので「かさを減らしてから短期間で土中分解できる」のがメリット、つまり処理量が多い割に省スペースです。コンセプトは4の設置型に近いですが小規模に完結できるので、ごみを埋める場所があまりない、キエーロを置くような場所もない、堆肥をよく使う、というような人には助かります。日々の手間は、バケツにごみを投入して、その時に一緒に米ぬかなども入れます。たまに一次発酵から土に埋めて二次発酵させるプロセスがあるのもちょっと手間ですし、バケツ内は嫌気性発酵なんでなんつーか発酵した匂いはあります。ただ、バケツ内で完結してるので、バケツを開ける時だけで、普段はバケツの外には匂いは漏れません。わたしが長年やってるのはこれです。楽っちゃ楽なんですが、楽じゃないと言えば楽じゃない部分もありますね。そこを今後詳しく書いていこうかと。

 

コンポストは好気性発酵と嫌気性発酵どっちの力を借りるかという方法の差はあれ、要は全部「土に返す」がゴールです。土の世界の多様性、分解と発酵、虫やら微生物やら菌やらが織りなす自然循環により地下と地上はつながってるんですね。はて、ここまで読んで、「え?今なんか聞き捨てならない事言わなかった?」と感じた方もいられると思います。そうです、です。分解途上の生ごみは虫さんたちの好物でもありますんで、うっかりすると虫が湧きます(分解自体は虫がいなくても微生物と菌だけでもやってくれるんですが)。しかし、うっかりしなければ虫が苦手な方でも運用できると思います。

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コンポスト方法と虫との親密度を考察してみるとこうです。

 

1.土に埋める ーまあまあ遠い隣人でいられるかも

夢見つつ深く埋めよ。つまりですね、生ゴミが土壌に決して表出しないぐらいに埋めとけば匂いは封じられます。そもそも虫たちは匂いを頼りに寄ってくるというのもありますんで、ちゃんと埋めれば土のバリヤー効果は絶大です。

とは言っても野外にはあらゆる多種多様な虫たちがたくさん生きておりますし、土の中にもすでにいろいろいらっしゃるので、まあ、いるかもしれないけど、皆さん基本的には土の下でごにょごにょやってくれるわけで、遭遇リスクは低めだと思います。(ただし、横着してごみを露出させたり、何やら掘り返すのが好きな小動物が出る場合対策しないと破局です。)

◯うっかり回避ポイント・・・ごみを露出させない!

 

2.キエーロ ー遭遇率は低めでは

これは1の別バージョンなので、同様に生ゴミが表面に露出しなければ大丈夫だと思います。キエーロは箱入りでまず「虫のいない土」をセットして始める事が多く、生ゴミが一度に同じ場所に大量に停留しないし、土バリヤーのご加護もあるんで、虫侵入のリスクはかなり低そうです。出てもコバエの成虫ちゃんがちょっといるかな、ぐらいなのでは。外でやってる分にはそんなに気にならないんじゃないでしょうか。

◯うっかり回避ポイント・・・同上

 

3.ダンボーコンポスト ーここで会ったが百年目

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これもキエーロと同様で、かつ室内で運用する事が多いので、虫侵入リスクは低めと思います。ただ、室内でやってて万が一虫ちゃんが出た場合は、たいがいの人間は室内で虫ちゃんと共存するのは苦手なため、まあまあ悩ましいような気がします。

◯うっかり回避ポイント・・・そもそも室内に虫を入れない!

 

4.設置型コンポスト ー虫は友だち、怖くない派の方向け

コンポストの中は確実に虫さんたちの絶好の高級マンションになりえるでしょう。だって、野外にあって、嫌気性発酵した生ごみが大量に積まれてるんですよ!下が地面と直通なのと、開け閉めの蓋がデカいので、やっぱり侵入リスクは多めではないかと。ただ、コンポストにごみを投入する時だけ虫さんにけっこう遭遇するけど、一応閉じたコンポストの中で完結してくれる設計のはずなので、まあ、外だし、庭のすみっこでわたしにはそんなに近くないしな!つか、開けていない限りは存在しない。いたとしても、うちの中じゃなし、外界の事は大いなる自然に任せるがままにレットイットビー。という距離感でのお付き合い、おおらかな心づもりで運用できる方なら大丈夫でしょう。

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◯うっかり回避ポイント・・・虫とわたしは隣人だが同居はしていないという概念の確立

 

5.バケツ型コンポスト ーベイビー、覚悟は決めたかい?

密閉型なんで蓋の開け閉めの時に気をつければ大丈夫ですけど、4の状況に近いです。しかし、虫さんが苦手な方にはちょっと、あのう...ハードル高めかもしれません。というのは、発生した場合(しないで運用できる可能性ももちろん大いにありますけども)、ベランダというのは「外ではあるが延長された室内」的なあいまいな存在なので、むしろ畑の片隅にある設置型コンポストより虫ちゃんとは物理的な距離のみならず心の距離も近めにならざるをえないと言えます。

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もちろん、コンポスターの中にお住まいになるんで、外まで進出してくるわけではないんですが、なんか常に「奴らはそこにいる」というのが心の片隅でひっかかる。

でも、虫ちゃんが侵入できるかどうかは運用する場所にもよるので、いっそ室内運用なら侵入リスクは低いかも?ただ、これも4同様「室内でやっててもしも虫が出た」場合は、虫が苦手な方は特に、結構、いや、相当厳しいかも。

◯うっかり回避ポイント・・・光の速さで蓋の開け閉めを。あるいは、うっかり心の準備をせずバケツコンポストをやらない。

 

なので、虫ちゃんにあんまり遭遇したくないなあ...という場合、4と5はオススメしません。

また、「わたしは絶対に虫氏とはお会いしたくないのである」という決然たる意志をお持ちの方に向けましては、

 

6.家庭用電気生ごみ処理機

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電気の力で乾燥させたり攪拌させたりする方法です。スイッチonでアラもうできてる、これまた楽チンそうですが、電気代はかかるのでエコ度は低いかも。また、乾燥させたものはあくまで「生ごみを乾燥させたもの」なので、そのまますぐ堆肥利用はできないため、やっぱり土に埋める工程はありますね(堆肥利用しない場合、「減量したごみ」としてごみに出す事になります)。乾いてたりすっかり処理された後のものなんで、匂いもないし、虫がわく可能性はかなり低いと思います。一番のネックは「導入コストが高い」。また、電気製品って、メンテナンス(装置の掃除とか)とか故障とかのリスクはないとはいえないかもしれない。

 

という選択肢もあります。

 

逆に「虫愛づる姫」タイプの方におかれましては、

 

7.ミミズコンポスト

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分解の過程でミミズさんたちに手伝ってもらう方式です。土の中にミミズに生ゴミを食べてもらい、フンにして、堆肥を得るわけです。ただ、当たり前なんですが、生き物を育てるというのは大変なことも多々あります。お迎えするからにはきちんと世話をしてあげたいものです(というか、しないでいると多分破局を迎えます)。どうやら分解中のガス発生低減については他のコンポストよりすぐれているらしいです。

 

8.アメリカミズアブコンポスト

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消化力にすぐれ、また成虫も清潔なアメリカミズアブちゃんは分解のつよーい味方で、北米などでは活発に利用されているようです。分解力の旺盛さを考えるとメリットはミミズコンポストよりあるかもしれませんね。ただ、お子さんの彼らは個性的というか一般受けしないルックスですので玄人向けかも、というか、日本であえて実践してる人はかなり少数派の好事家では。しかし、設置型コンポストやバケツコンポスト、さらに上記のミミズコンポストなどをしてると「偶然の共存者」になってしまう事がままありますので、潜在的な実践人口は多いかもしれない。

 

というところでしょうか。

あ、そうそう、他にもコンポストにはバリエーションがありまして、

 

9.回転式攪拌コンポスト

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バケツコンポストダンボーコンポストの中間というか、バケツ内を回転させて発酵分解スピードを上げるタイプのようです。と、書いてみましたが、すみません、回転式攪拌コンポストの運用についてはわたしは未知すぎるのでなんともいえません。ただ、キエーロのように土をそのまま運用するタイプではなく、やはりバケツ型のようにできた堆肥を容器から出して土と共に再利用するような工程があると思います。匂いも未知数です、詳しい方がいたら教えてくれると逆にうれしい。

 

10.バッグ型コンポスト

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ダンボーコンポスト的な活動をバッグの中でやる感じでしょうか。近年おしゃれな人々の間で人気のイケてるアイテムなんですが、わたしはまだ試した事がありません。不安材料としては「処理量が少なそう」というのと「ランニングコストが若干高そう」というのがありますが、気軽さではナンバーワンかもしれませんし、おしゃれでクリーンそうだし、好気性発酵なのもよいです。ときめきの予感⭐︎かもしれない。でも、ネットで体験談など調べると、これにも虫ちゃん同居の罠はなくはないような...?

 

などなど、一口にコンポストと言ってもいろいろあるのであった。以上、第一回目はコンポストの種類について紹介してみました。

ざっとはしょって紹介(この冗長さで?)しましたんで、それぞれのコンポストの詳しい運用方法は各自調べてみてください。まあ、こう書いてみるに多方面からやっぱキエーロ最高、って気もするんですが。

 

次回は本編、わたしのコンポスト道、この中でもまあ一般的には結構オススメしない方の部類に入るであろうバケツコンポストの喜怒哀楽を語っていこうかと思います。ではでは。

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コンポストで育ててるブロッコリー(葉っぱがボロボロなのはヒヨドリが食べちゃったせいです)

 

 

 

※1 コンポスト生成のプロセスでは、菌たちが分解を行う過程でCO2やメタンも発生しますよね。これは自然界での分解プロセスにはつきものですが、コンポスト、特に家庭用コンポストでのGHGガス発生の評価については、調べてみてもどうも定量的なデータが見つけられず...。CO2やメタン放出はまず化石燃料産業部門と畜産部門が莫大なので、家庭用コンポストの量はさして問題に上がることが少ないためデータがあまりないのでしょうか。(大型コンポスト施設などでは発生したメタンを回収再利用することで環境負荷を低減できるようですが、家庭で発生したメタンの回収はちょっと無理そうですよね)。メタンの温暖化係数はかなり高いのでちょっと気になりますが、多くの環境系提言(例えばこれとか)や行政ではコンポスト化は推奨されてますんで、やはり焼却や最終処分埋め立てなどよりはフードロスやら輸送負荷やら総合的に考えてまあマシなんだと思います。(カーボンニュートラル的な考え方も関係あるのかも?謎です)ただ、嫌気性発酵より好気性発酵のコンポスト方式の方がよさそうですね。詳しい人いたら教えてください。

年末駆け込み仕事紹介

また間が空いてしまいましたが、仕事の紹介をば。以下敬称略です。

 

双葉社の『精神科医が教えない「プチ強迫性障害」という「幸せ」』(杉山崇 著)という本の装画を描きました。

 

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強迫性障害を詳しく解説しつつ、こうした心の働きは人間が自分を守るために必要なメカニズムでもありながら、しかしそれが社会生活を送るにあたって困難になってしまうために「障害」なのであるという視点から、ではどう対処していけばいいのか、という事が書かれています。度合いの軽重はあれ、誰しも多少は思い当たる部分もありますしわたしも割とそういう傾向がある方なんですが、それがやはり重い場合、当事者の方はとても大変だろうと想像しますので、読者の方が少しでも負担を軽減できるヒントになればいいなあと思います。イラストは本文の中にある「雨時々曇り」予報に対して「大雨洪水警報」的な対策を取ってしまうのが強迫性障害、という話のあたりをイメージしました。

 

小学館サライ」の年始特大号の中で、50代からの歯磨きについての特集のイラストをちょこっと描いています。

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中高年になると、歯の健康、かなり気になるテーマですよね。定期健診、そろそろ行かないと...。

 

こちらはリクルートの「HOUSING」2月号で、家づくりについての特集ページのイラストを描いています。

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新春、今年こそ家を建てよう!と思ってる方には読み応えたっぷりそうです。

 

こちらは以前出ました彩図社の「思考実験」シリーズの図解版が出る事になりまして、また中のイラストを描き足しました。図解化して、さらにわかりやすくなっています!

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こちらは、ウェブサイトでのお仕事です。

『クラシック・ジャズに興味があるすべての人をつなぐ、音楽総合コミュニケーションサイト 音TOWN』

ontown.jp

で、イメージイラストを描きました。

 

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現在はプレオープン中で、本格始動は2022年春からのようです。こちらのサイトはクラシックやジャズの方面で、音楽を仕事にしたい人と音楽ビジネスなどの需要側、また音楽を育む関連の様々な機会とが出会える場所を作るというすごくすてきなサイトなのです!大きく育ってほしいです。

 

さてさて、まとめてお伝えしましたが、2021年も様々なお仕事に恵まれ、無事に年を越せそうです。紹介しきれなかったものもたくさんあるんですが、来年はもっとマメに紹介したいなあ(と毎年言ってますね💦)。それと、趣味で書いてるエッセイ的なブログ記事も(今年半ばにちょっとバタバタしてしまって以来また滞りがちですが💦💦)また気を取り直して再始動というか、書いていきたいなあと思います。こないだおおの麻里さんと忘年会してきて、ふたりして「絵を描いたり、クリエイティブなことをしている時が楽しいよね」という話でうなづきあいました。noranohaやらエッセイやら、特に仕事にならないようなことも楽しんでのんびりやっていきたいと思います。

ではでは、みなさま良いお年を&来年もよろしくお願いいたします!

 

カレンダー展の作品出来ました

カレンダー展に参加するというのを先日のブログで書きましたが、作品が出来ました(今かよ!って感があるんですが)ので、紹介していこうと思います。こちらはカレンダー展に参加した後、noranohaでも販売する予定です。またそれも準備が整いましたらここでお知らせいたしますね(まだ追っ付いてなくて五月雨式です)。

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去年まではシンプルな線画で色数も抑えてたんですが、今年は気分を変えて、カラフルにして、文字サイズも大きくしました。というのは、去年までは机の前に貼ったりなど、近距離で楽しむ感じを想定していたのですが、自分が使ってみて、ちょっと遠くから見たい機会も多かったんで、遠くからも見やすい感じを今年は意識してみた次第です。ちょっと楽しいシーンを集めてみました。

ギャラリーDAZZLEさんでのグループ展の詳細はこちらです。

 

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オリジナル カレンダー&カード展

2021年11月23日(火)~ 2021年11月28日(日)
12:00~19:00 (最終日17:00まで)

牛久直美 大塚砂織 小川メイ 尾崎千春
加藤聖子 古藤みちよ タニモトハル 
外川真千枝 naggy 花村信子 はるきさとし 
フジワラリュウセイ 松井晴美 松谷和恵 

アーティストによるオリジナルの2022年カレンダーとポストカードの展示販売。

オリジナル カレンダー&カード展 | exhibitions | gallery DAZZLE

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ポストカードも何種類か出す予定です。会場にはずっといるとかではないのですが、何度かできれば足を運びたいとは思っています(仕事次第...)。かわいいカレンダーをお探しの方、わたしのものに限らず多くの作家さんのカレンダーを購入できるチャンスですので、ぜひぜひ!